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近畿製造業 やせ細る 

近畿製造業 やせ細る
業績急回復遠く


 平成16年3月以来の高水準となった近畿2府4県の7月の完全失業率。昨年秋以降の景気減速で、近畿でも製造業を中心に人員削減が進行している。大企業を中心に4?6月期連結決算は好転したが、これは人件費など固定費削減の効果が大きい。売り上げの急回復が見込めないなか、今後も厳しい雇用環境が続きそうだ。

 昨秋の金融危機以降、メーカー各社は人員削減を加速させた。パナソニックは今年2月、平成21年度末までに国内外で約1万5千人の削減を発表。三洋電機は半導体事業で希望退職を募り、約千人が応募した。ロームも早期退職募集などでグループ正社員を千人削減、大日本スクリーン製造も300人規模の早期希望退職を実施した。

 正規社員だけでなく、非正規社員の削減も進んでいる。シャープは、奈良県や三重県などの生産拠点を中心に、派遣社員を約580人削減。村田製作所も2千人を削減した。市場の縮小に合わせ、各社は経営体質を急速にスリム化させた。

 構造改革の結果、電機各社の4?6月期の業績は1?3月期に比べ赤字幅が縮小。パナソニックや三洋では、9月中間期の業績予想を上方修正するなど、改善傾向が出始めた。また、5月から始まった政府のエコポイント制度により、薄型テレビの7月の国内出荷台数は前年同月比41%増と大幅に増えるなど、消費面でも明るい兆しが見え始めている。

 ただ、業績の本格的な回復は来年度以降とみる企業が多い。関西の大手家電メーカー幹部は「雇用、賃金の回復がないと、個人消費も改善せず、設備投資にもつながらない。今の市場環境にそこまでの力強さはない」と話した上で、「今年度いっぱいは経費削減を厳しくし、黒字体質をつくる必要がある」と強調。体質を“絞る”経営は当面続くとみられ、雇用面で早期の改善は期待できそうにない。

 日本総合研究所関西経済研究センターの吉本澄司所長は「景況の悪化は企業業績に影響が出た後、雇用に波及していく。まだ雇用面での調整圧力が残っている企業は多い。政府の景気対策が切れても需要が持続できる態勢の確立が必要」と分析している。 (内山智彦)

(2009年8月29日 09:11)産経新聞大阪