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社説 対策の空白期間つくるな 

社説 失業率最悪
対策の空白期間つくるな


 雇用情勢の悪化が止まらない。失業者の増大は社会不安を招く。衆院選後の新政権は雇用対策の空白期間をつくることなく、改善へ全力を挙げてもらいたい。

 7月の完全失業率は5・7%と、2003年4月などの5・5%を抜き、過去最悪となった。完全失業者数は1年前より103万人増え、359万人に達した。有効求人倍率は0・42倍と、3カ月連続で過去最低を更新し、2人に1件の仕事もない事態が続いている。

 4―6月期の実質国内総生産(GDP)はプラスに転じたが、力強さを欠く。雇用が改善せねば、消費や景気の低迷が続き、さらに失業率が上昇しかねない。景気が回復しても失業率の改善は1年程度遅れるとされ、状況は厳しい。

 だから、新政権が最初にやるべきは景気浮揚へのてこ入れだ。同時にこれを機に、昨年秋以降の緊急雇用対策の進ちょく状況や効果のよしあし、不足がないかなどを総点検してもらいたい。必要ならば迅速に手を打つのは当然だ。

 雇用対策の基本は変わらない。まず失業者を増やさぬよう雇用の維持に努め、失業者には生活支援や職業訓練などで再就職に手を貸し、雇用の受け皿を増やして確実に仕事に結びつけることだ。

 政府が拡充した雇用を守る企業への雇用調整助成金は利用が急増し、効果を上げている。雇用保険の加入要件も緩和したが、週20時間以上働く人のうち約340万人が、まだ適用から漏れている。

 失業した人には、国の交付金で市町村などが非正規労働者らを一時的に雇う緊急事業を実施し、住宅手当や生活資金を貸し付ける支援策も整えた。失業者と向き合うハローワークには、これらの周知徹底ときめ細かな相談を望みたい。

 失業者の職業訓練期間中の生活費を支給する制度もできたが、医療や介護などの訓練機関の不足も指摘される。3年間の時限措置については、与野党から恒久化の声も出ており、議論が必要だ。

 いまはいったん失業すれば再就職は厳しい。期待される医療、介護、環境分野などで雇用が創出できるかが当面の課題だ。併せて、雇用保険や派遣労働のあり方など、労働者保護の強化に向け、中長期の課題にも取り組まねばならない。

=2009/08/29付 西日本新聞朝刊=