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大臣の政治力で解決せよ最賃と生活保護を両肩に背負っているのだから 5件/アベノミクスは中央と金持ちのための経済政策、それ以外の者には害悪でしかない/それは労働者にとって朗報なのか/日本の労働現場は人権侵害レベルのレッドゾーン 2件 

厚労相 最低賃金15円以上 引き上げ期待
社説 最低賃金 格差是正へ底上げの道筋を
最低賃金 5都道県で 「逆転現象」 生活保護下回る
生活基礎調査 子どもの貧困 16.3% 過去最悪
平均所得 2%減の537万円 非正規増え88年水準下回る 厚労省公表
アベノミクスの浸透度二極化 若年層と地方部ほど 差の出る景況感
中小にも賃上げの波 医療や飲食 人手不足で
「レッド・プラネット・ジャパン」 自宅待機2年 解雇され提訴 東京地裁
社説 介護外国人労働 恐るべき人権侵害許すな

厚労相、最低賃金15円以上の引き上げ期待 14年度

2014/7/15 10:55 日本経済新聞

 田村憲久厚生労働相は15日の閣議後の記者会見で、2014年度の最低賃金の引き上げについて「昨年度並みか、それよりもいい成果が出ればありがたい」と述べた。昨年度の最低賃金は、全国平均で15円引き上げて764円。「今は労働需給が引き締まっており、賃金が上がるのが普通」として、15円以上の引き上げに期待を示した。

 最低賃金は企業が払う賃金の下限で、正社員やパート、派遣社員などすべての従業員にあてはまる。労使の代表が参加する厚労省の中央最低賃金審議会が議論しており、7月末に全国平均の目安を示す。8月以降に地方の審議会が都道府県ごとの金額を決めて、10月をめどに適用する見通しだ。

 経団連など経営者団体は企業の利益を圧迫するとして、最低賃金の大幅な引き上げに慎重な姿勢だ。一方、政府は物価上昇のなかでも景気の回復を維持するため、大幅な引き上げを続けたい構えだ。



社説 最低賃金/格差是正へ底上げの道筋を

 地域別最低賃金引き上げ額の「目安」を決める厚生労働相の諮問機関、中央最低賃金審議会の議論が進んでいる。7月末にも答申。その目安額を踏まえ、都道府県ごとの地方審議会が新たな最低賃金を決定する。

 本年度は「追い風」が吹く。企業収益は伸び、春闘の賃上げも近年にない高水準となった。外食を含め人手不足から時給を上げる業界もある。物価は上昇に転じた。引き上げに向けた条件・環境がそろったといえる。

 経済の好循環に資する消費拡大につながるのは無論のこと、何よりも最低賃金の引き上げはワーキングプア(働く貧困層)と呼ばれ、消費税増税の直撃を受けた低所得者層の暮らし向きを改善する一助となる。

 そうした格差の是正にも重きを置き、賃金底上げの道筋を描きたい。全国平均で時給15円増となった前年度を上回る「目安」を掲げてもらいたい。

 「経済の循環が良く、成果が出ている。この環境を反映し、より良い成果が得られる努力をしたい」。中央審議会で議論が始まるのに際し、好調な企業業績や賃上げ状況を踏まえ田村憲久厚労相は、そう語った。

 前年度を超える増額に期待感をにじませるとともに、その実現に向け、中小企業や小規模事業者を支援する取り組みにも力を入れる決意を示した。

 最低賃金をめぐっては、生活保護の受給水準を下回る「逆転現象」解消のため、ここ数年、積極的に引き上げられてきた経緯がある。逆転が残るのは北海道だけとなり、解消は目前だ。

 経営側には「今まで無理して上げてきた。ここらで休みたい」との声がある。景気回復の実感に乏しい地方はなおさらだ。慎重にならざるを得ない。

 政府はそうした事情にも配慮し、引き上げの環境整備に努めるべきだ。そのことが、消費税増税が家計に及ぼす影響を和らげることにつながるからだ。

 現行の最低賃金は全国平均で時給764円。都道府県別で最高は東京の869円、最低は沖縄を含む9県の664円。東北では宮城(696円)福島(675円)を除く4県が665円で、最低ランクに張り付く。

 それだと1カ月フルタイムで働いても収入は12万円程度。ただでさえ、ぎりぎりだった生活に、増税分の負担がいや応なくのしかかっているのが現状だ。

 増税分を含め物価は3%以上も上がった。増税分を考慮し最低賃金(全国平均)を3%上げれば、23円の増となる。

 そうなって、やっと増税前の生活水準に戻れる格好だ。前年度の15円を上回る引き上げは決して無理な注文ではあるまい。

 海外では最低賃金の論議が熱い。オバマ米大統領は連邦最低賃金の時給10.10ドル(約1030円)への引き上げを目指す。ドイツのメルケル政権は来年にも8.5ユーロ(約1200円)の最低賃金を導入する見通しだ。

 いずれも経済のグローバル化で広がる格差の是正が目的である。そうした観点からも、最低賃金の議論を深めたい。

2014年07月15日火曜日 河北新報



5都道県で「逆転現象」=生活保護下回る-最低賃金

 最低賃金で働く人の手取り収入が生活保護の受給額を下回る「逆転現象」が、5都道県で起こっていることが15日、厚生労働省の調べで分かった。2013年度の最低賃金引き上げで、逆転地域は11都道府県から北海道のみに減ったが、最新のデータで集計すると東京、宮城、兵庫、広島でも生活保護の水準を下回った。

 社会保険料の負担が増加し、労働者の手取り収入が減ったことなどが要因。最低賃金が生活保護の受給額より少なければ、働き手の勤労意欲をそぎかねない。このため最低賃金法は、最低賃金が生活保護を下回らないよう配慮することを定めている。14年度の議論では、全体の底上げとともに逆転現象の解消が焦点になる。

 調査結果は、厚労省が15日開いた中央最低賃金審議会(厚労相の諮問機関)の小委員会で提示した。生活保護との乖離(かいり)は時給換算で1~11円。最も大きいのは北海道の11円で、広島の4円が続いた。東京、宮城、兵庫は1円だった。

(2014/07/15-16:54) 時事ドットコム



生活基礎調査:子どもの貧困16.3%、過去最悪

毎日新聞 2014年07月15日 21時27分(最終更新 07月15日 22時40分)

 厚生労働省は15日、2013年の「国民生活基礎調査」を公表した。お金の面で普通の暮らしが難しい人の割合を示す「相対的貧困率」(12年)は16.1%で、記録が残る1985年以降、過去最悪だった前回調査(09年、16%)より0.1ポイント悪化した。17歳以下の子どもの貧困率は前回を0.6ポイント上回る16.3%に達し、初めて全体の貧困率を上回った。同省は、非正規雇用の増加による所得の減少などが影響したとみている。

 毎年調べている、1世帯当たりの平均所得(12年)は、前年比2%減の537万2000円で、85年以降、過去4番目の低さだった。暮らし向きを尋ねたところ、「大変苦しい」「やや苦しい」と答えた人が計59.9%に上り、上昇傾向が続いている。

 こうした中、12年の相対的貧困率は85年(12%)から27年で計4.1ポイント上昇。背景には非正規雇用の割合が全体の36.7%(13年、総務省調査)に達したことに加え、低所得の単身高齢者の増加がある。子どもの貧困率も85年(10.9%)より5.4ポイント悪化した。6人に1人は貧しい計算だ。

 また、単独世帯の増加に伴い、1世帯の平均人数は2.51人(13年)と過去最低になった。5人だった53年から半減した。65歳以上の高齢者が65歳以上を介護している世帯の割合は51.2%(13年)。初めて半分を超え、「老老介護」の増加ぶりが浮かんだ。

 調査は13年6?7月に実施。抽出した29万5000世帯中、23万世帯から有効回答を得た。所得に関する質問には3万6000世帯のうち、2万6000世帯が答えた。政府は今年1月に施行された「子どもの貧困対策法」に基づき、近く大綱を閣議決定する。【佐藤丈一】

 【ことば】相対的貧困率

 世帯所得から税や社会保険料を除いて計算した、国民一人一人の年間手取り額を少ない方から並べると、2012年は244万円が真ん中に来る。相対的貧困率は手取りが真ん中の半分(12年は122万円)に届かない人の割合を指す。子ども(0?17歳)の貧困率は同居する親の所得などで計算する。調査は3年に1度。厚労省は民主党政権当時の09年、貧困率を初めて公表した。



平均所得、2%減の537万円=非正規増え88年水準下回る-厚労省

 厚生労働省は15日、毎年実施している国民生活基礎調査の結果を公表した。2012年の1世帯当たり平均所得は537万2000円で前年比2.0%減少した。1988年の545万3000円を下回り、データが残る85年以降で過去4番目の低さとなった。同省は「背景として、非正規雇用の増加といった就業形態の変化があるのではないか」と分析している。

 可処分所得が一定水準に満たない人の割合を示す「相対的貧困率」は16.1%だった。相対的貧困率は3年ごとに算出。数値が高いと貧困層が多いことになるが、3年前の調査と比べ0.1ポイント上昇した。世帯所得を踏まえた「子ども(17歳以下)の貧困率」は16.3%で、3年前調査から0.6ポイント増えた。共に過去最高となり、経済格差は拡大した。

 アンケートで暮らし向きについて尋ねたところ、生活が「大変苦しい」「やや苦しい」との回答が59.9%で上昇傾向が続いている。

(2014/07/15-17:31) 時事ドットコム



2014年07月15日 09:52 BLOGOS

ニッセイ基礎研究所

二極化するアベノミクスの浸透度 若年層と地方部ほど差の出る景況感 - 久我 尚子

今年4月、消費税率が上がったが、個人消費の落ち込みは想定内の範囲、現在は徐々に戻りつつあり、7-9月期で回復に向かうという見通しが多い。しかし、消費者の実感としては、本当に景気は良くなっているのか?暮らし向きは良くなっているのか?という疑問の声もある。

昨年から、賞与や残業代などが増え、名目賃金は増加しているが、物価の上昇がそれを上回っているため、実質賃金は減少している。日常生活に関わる商品では、値上げが相次いでおり、円安による輸入飼料や原材料の高騰で、卵やバター、牛乳、食用油などの値段が上がっている。物価の優等生と言われてきた卵も、1パック(Lサイズ10個入り)の値段は、ここ数年は220円前後を推移していたが、今年に入り240円を上回っている1。海外旅行についても、円安による割高感が解消されず、海外旅行業者の業況指数はマイナスが続いている2。

一方で、活発な消費が見られる領域もある。百貨店の売上高は、増税直後の4-5月を除けば、その他はおおむね前年同月を上回っている3。特に、美術・宝飾・貴金属といった贅沢品の売上高の上昇幅は大きく、2013年1月から前年同月比+5%以上を維持し続けている。また、今夏の海外旅行の予約状況をみると、比較的値段の高い「中距離方面へのシフト」がキーワードのようだ。今年の1位はホノルルであり、ロンドンやパリも、羽田発着枠の拡大も影響しているようだが、順位をあげている4。一方、昨年1位のソウルは5位へと順位を落としている。

このように温度差のある背景には、消費者の間で二極化が生じていることが考えられる。二極化には、(1)正規雇用者と非正規雇用者、(2)有価証券などの金融資産保有率が高い世帯と低い世帯、(3)都市部居住者と地方部居住者、などがあげられる。

(1)正規雇用者と非正規雇用者については、正規雇用者では、この春、一部企業ではベースアップの話題もあり、名目賃金だけでなく実質賃金が増加した雇用者もいるだろう。また、実質賃金が増えていない場合でも、雇用が安定的な正規雇用者では、賞与や残業代などの一時的な賃金増であっても、消費意欲は高まりやすい。しかし、正規雇用者より賃金水準が低く、不安定な立場で働いている非正規雇用者では、目先の賃金が増加しても消費意欲は高まりにくいだろう。

(2)有価証券保有率の違いについては、株高の恩恵を受けているかどうかということだ。日本では、世帯主の年齢が高い世帯ほど有価証券保有率は高く、若年世帯では保有率が低い傾向がある5。

また、(1)の雇用形態についても、若年層ほど雇用者に占める非正規雇用者の割合は高い。よって、(1)と(2)については、若年層と比較的年齢の高い層における二極化と言い換えることもできるだろう。

(3)都市部居住者と地方部居住者については、都市規模別に実収入や可処分所得の推移をみると、いずれも、昨年から名目賃金は増加しているものの、物価の上昇により実質賃金は低下、という同様の傾向を示している。しかし、マイナスに転じた時期やその度合いが異なっている。都市規模が小さいほど、物価の上昇に対して賃金が増加していない。安倍政権発足以降の実収入と可処分所得の増減率の前年同月比の平均値を計算すると、都市規模が小さいほど、値は小さくなる(図)。

企業業績は全体的に改善傾向にあり、2013年度の地方税収は、業績が改善した企業からの税収が増え、2008年度以来の高水準だ。しかし、都市部と地方部では業績の改善状況に差があり、賃金への反映にも差が出ているということだろう。

このまま景気回復が進めば、じわじわと二極化は解消されるのだろうが、現在のところ、(1)~(3)より、若年層と地方部居住者ほど、アベノミクスの恩恵を受けられておらず、景況感を感じにくいということになる。

5月に「日本創成会議」は、人口の再生産力を示す20~39歳の女性人口を推計し、2040年までに当該人口が半分以下になる「消滅可能性都市」は、49.6%に上ることを発表した6。少子化の進行を食い止め、人口規模を維持するために、より出生率の低い都市部への人口集中に歯止めをかけ、若者にとって魅力ある地方拠点都市を創設することなどをまとめている。地方拠点都市とその周辺に就労環境や教育・研究機関を整備し、通勤時間や生活コストの軽減を図ることで、地方部に若者が安心して子を生み育てられる環境を整備する。

個人が選択する働き方や家族形成について、人口1億人維持という大義を振りかざされても、若者の心には響きにくいだろう。しかし、若者にとって真に利点があり、豊かな生活を想像できるような魅力的な地方拠点都市ができるのであれば、若者は自然に移動する。そして、現在のような二極化も生まれにくい、多くの国民が豊かさを感じる社会の形成につながる。



中小にも賃上げの波 医療や飲食、人手不足で

2014/7/15 22:18 日本経済新聞

 賃上げの波が中小企業に及んできた。30人未満の企業の賃金調査によると、2014年の時給は前年と比べて1.1%上がった。医療福祉や飲食サービスで伸びが目立った。大企業がベアで人材を囲い込んだため、中小企業も対抗して賃上げを迫られた。パートなど非正規労働者の収入に響く最低賃金の引き上げを促す材料となりそうだ。

 厚労省が15日の中央最低賃金審議会に示した賃金改定状況調査によると、時給の上昇率は昨年の0.8%を上回り、比べられる07年以降で最高になった。医療・福祉が1.9%伸びたほか、宿泊・飲食サービス業も1.8%増えた。若年人口が減り、外食や医療・介護の現場では採用難が深刻で賃上げが進んでいる。

 製造業やその他サービス業、卸売・小売業の3業種も伸び、2年連続で全5業種がプラスになった。働き方で見ると、正社員などフルタイム労働者もパートタイム労働者も、ともに1.1%伸びた。経団連がまとめた大企業の賃上げ率2.28%には届かないが、確実に賃金が上がっている。

 今回の調査結果は、最低賃金の引き上げを促す材料となる。同審議会は今月末に最低賃金の目安をまとめる。賃金に加えて、働く人の生活費にあたる物価が上がっているほか、企業の賃上げ余力を示す経常利益も増えており、労働組合側の委員は「経済指標に悪い材料はない」と指摘する。

 最低賃金の引き上げを促す材料はもう一つある。厚労省は同日、地域の最低賃金の水準が生活保護を下回る「逆転現象」が5都道県残っていることを審議会で示した。これまでは北海道のみとしていたが、新たな統計で計算し直したところ北海道のほか東京都、宮城県、兵庫県、広島県に広がった。

 全国平均で780円の水準が焦点になりそうだ。13年度は15円上げて764円。田村憲久厚労相は同日の記者会見で「労働市場がタイトになれば最低賃金は上がる。昨年並み、もしくはそれ以上にいい成果が出ればありがたい」と述べ、15円以上の引き上げに強い期待を示した。

 一方、経営者側はこの日の審議会で、最低賃金で働く従業員が多い中小企業で、業績が改善していないと説明し、最低賃金の大幅引き上げ論をけん制した。審議会では労使の代表による調整が月末まで続きそうだ。

 ▼最低賃金 企業が最低でも払わなければならない賃金水準。国籍や企業の規模、雇用形態を問わず、日本で働くすべての人にあてはまる。中小企業のパートなど非正規労働者の給与の基準になることが多い。厚労省が労使の代表を交えた審議会で毎年金額を見直し、10月ごろに新しい水準を適用する。



提訴:自宅待機2年、解雇され

毎日新聞 2014年07月15日 東京夕刊

 約2年間自宅待機を命じられた末に解雇されたのは無効だとして、東京都内の30代の男性が14日、勤務していた会社を相手取り解雇無効と不払い賃金など1431万円の支払いを求め東京地裁に提訴した。男性は「自宅待機で会社にも行けない中で、47回もの退職勧奨を受けた」と主張している。

 訴状などによると、男性は2010年6月にCDの流通・販売などを手掛ける「レッド・プラネット・ジャパン」(東京都港区)に正社員で入社、経理を担当していた。約1年後、同社が設立したそば店へ異動させられ、11年12月に自宅待機を命じられた。会社は36回にわたり退職するよう要求。男性は「退職しない」と伝えたが、その後も11回退職勧奨が行われ、14年3月31日付で解雇された。この間賃金の6割しか支払われなかったという。



社説 介護外国人労働 恐るべき人権侵害許すな

2014年7月15日 琉球新報

 前近代かと見まがうほどの恐るべき人権侵害だ。このような状態を放置するなら、日本は非人道的国家だとの非難を免れない。

 大阪府の介護会社「寿寿」が、フィリピン人女性を介護職員として採用する際、本人が死亡しても会社の責任を問わず「永久に権利を放棄する」という内容の誓約書を提出させていた。賠償請求を封じ込むのが狙いだろう。

 法学者が「公序良俗に反し、民事上は無効」と指摘せざるを得ない内容である。そうした契約が存在すること自体、問題だ。行政の目が届いていない。この会社に限らず、外国人労働者の雇用環境に問題がないか、関係機関はすぐに徹底調査すべきだ。

 2008年の国籍法改正で、日本人男性とフィリピン人女性の間の子どもは、両親が結婚していなくても日本国籍が取得できることになった。父親の認知が条件だ。

 寿寿は、フィリピンでそうした母子家庭の女性を対象に「会社が子どもの国籍取得手続きをする」と持ち掛けて勧誘した。だが入国すると手続きを取らぬ例もあった。

 同社は、渡航費を立て替えるという名目で数十万円の債務を負わせ、完済するまで毎月の給与から積立金を天引きした。強制預貯金は労働基準法の禁止事項だ。その債務も、日本語教育や介護技術研修の費用も含むといい、内訳も不透明だった。借金漬けにして労働を強制するのは、国際的には「人身売買」と見なされるだろう。

 社宅の家賃も天引きされ、女性らは月7万円ほどで生活を余儀なくされ、生活費が尽きてゴミをあさる人もいた。現地説明会では「日勤のみ」だった労働条件も、いざ日本へ入ると宿直勤務が入り、月13回に及ぶこともあった。

 フィリピン人女性の弱みにつけ込むような契約や働かせ方には、外国人差別や性差別が根底にある。大阪大大学院の研究者・原めぐみ氏がそう指摘するのもうなずける。外国人労働者を支援する市民団体も今回の例を「氷山の一角」と指摘する。

 確かに国内の介護需要は膨らみ続けている。だが外国人を単なる安い労働力と見なすなら、そして人権侵害を放置するなら、日本の介護職場は外国人からも敬遠されるだろう。そもそも介護職の人手を確保するには、待遇を改善するのが本筋だ。介護サービスの質を確保し、事故を防ぐ意味でも、そうした正面からの対策が望ましい。


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