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希望という名の太陽が昇れば明日が来る、また果報は寝て待ての諺もある/正社員が当たり前の社会が当たり前、希望のない社会は衰退するのみ 

社説 若者の意識 希望と自信を強く持とう
変わる非正規依存 正社員化で競争力強く

社説 若者の意識 希望と自信を強く持とう

 「この国には何でもある。だが、希望だけがない」

 村上龍氏が小説「希望の国のエクソダス」で登場人物の若者に言わせた言葉があらためてよみがえる。内閣府が、世界7カ国の13~29歳の男女を対象に実施した意識調査の結果のことである。

 日本の若者は「自分自身に満足している」との回答が46%と著しく低かった。他の6カ国は全て7割を超えたという。また、「自分の将来に希望を持っている」との回答も日本は62%で、最下位だった。

 回答数が各国千人程度の調査であり、これだけで全体の傾向を推し量るのは無理かもしれない。ただ、日本の若者は自己評価が低く、将来を悲観する割合も高いとしたら、やはり気掛かりである。

 ともすると内向きで行動力や積極性に乏しい。そんな若者の姿は思い当たらないでもない。

 選挙のたびに若者の投票率の低さが指摘される。生涯未婚率は2010年で男性20%、女性10%に上り、非婚化が進行している。米国の大学への留学生数は今や中国、韓国に大きく及ばない。

 日本生産性本部などが毎年、新入社員の意識調査をしている。今年は「人並みに働けば十分」との回答が増え、バブル経済末期の過去最高水準に並んだ。昇進意欲は希薄で、仕事も出世も「ほどほど志向」がうかがえるという。

 こんな若者気質は大人社会がつくってきた面がありはしないか。

 今の若者はデフレ不況下で育ち、高度成長の活気を知らない。社会保障制度の恩恵は高齢者に偏り、若者との世代間格差が深刻だ。非正規労働という不安定な働き方が増え、低賃金のため結婚に踏み切れない若者も少なくない。

 日本は、雇用や教育の格差が広がって固定化し、失敗すると再挑戦しにくい社会になってきた。それが「どうせ駄目だから」との諦めムードにつながり、若者を萎縮させているようにも見える。

 若者をめぐる困難な状況を解消していくには大人社会に重い責任があることを認識すべきだろう。

 ただ、若者がおしなべて覇気を失っているわけではない。「頼もしい若者」もたくさんいる。

 例えば東日本大震災では多数の若者が被災地へボランティアで駆け付けた。サッカーのワールドカップでは試合後に観客席のごみを拾う日本の若者が話題になった。7カ国の若者意識調査でも「自国のために役立つことをしたい」との回答は、日本が最も多かった。

 当然のことだが、若者は機会さえあれば前向きに対応する力を持っている。どうすれば彼らの感性や活力を引き出し、成長や活躍を支援できるか。社会全体で真剣に考えたい。

 若者の能力をいたずらに眠らせては社会の損失だ。若者も希望と自信を強く持って、自らの未来を切り開いてほしい。

=2014/07/20付 西日本新聞朝刊=



産経新聞

2014年07月20日07時57分 livedoorNEWS

変わる非正規依存 正社員化で競争力強く
非正規雇用者数の推移


 パートや契約社員など非正規社員を正社員に登用する動きが広がってきた。

 背景には、景気回復に伴う人手不足の解消だけでなく、若年労働力人口の減少が招く「採用氷河期」を見据えて人材を確保したい企業の狙いもある。経営者は、デフレ経済下で人件費を競うように削ってきたが、国内市場の縮小やグローバル化で経営環境が変わる中、人材への投資が競争力強化の優先事項になりつつある。(滝川麻衣子)

 ◆未来への投資

 全日本空輸の客室乗務員、亀山裕子さん(32)は別の企業で働いた後、契約社員として採用され、現在は正社員として働く。念願の職場で働く使命感に加え、4月の人事制度改定が「職場の活気を呼んだ」と感じている。

 全日空はコスト削減を目的に平成7年、客室乗務員は入社して3年間は契約社員とする制度を導入。契約社員は、チームのまとめ役にあたるチーフパーサーへの昇格や、事情に応じた休職制度もなく、「下積み期間」と位置づけられた。

 しかし、4月からすべて正社員雇用に切り替わった。人事制度改定の理由について、ANA人財大学の西島克博人事部リーダーは「優秀な人材の確保と早期戦力化による質の向上」と説明する。格安航空会社(LCC)や外資の参入で競争が激しくなる中、「サービス差別化は人材。勝ち残っていくための未来への投資だ」と戦略を変えた。

 全日空の就職内定者の中には、非正規採用を嫌って他の航空会社や業界を選ぶ人もいた。だが、27年度採用の応募は前年比10%増と、制度改定の効果は早くも出ている。

 米国生まれの人気コーヒーチェーンの日本法人スターバックスコーヒージャパンも今春、希望する全契約社員を正社員化した。スターバックスは8年に第1号店をオープン。3月末時点で全国1040店、約2万4千人のスタッフを抱える大規模コーヒーチェーンに成長した。荻野博夫執行役員は「若手だったスタッフも育児や介護といった転機を迎えている。安心して長く働ける環境を整える必要が出てきた」と語る。

 ◆定着化はかる

 一方、「スタッフを募集しても何カ月も集まらない店舗がある」と明かすのは、カジュアル衣料「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングだ。愛知県や静岡県の一部で、店舗に必要な人員の充足率が80%台前半という厳しい事態に陥っている。

 ファストリは、数年かけて非正規社員の半数超にあたる約1万6千人を転勤を伴わない「地域限定正社員」とする計画だ。19年に続く2度目の正社員化の取り組みだが、前回はフルタイム勤務を条件としたため、希望者は目標に及ばなかった。今回は時短勤務や土日の出勤可否などの要望を可能な限り受け入れる。

 うどんやそばのチェーン店を展開するグルメ杵屋(大阪市)も7月から、パートやアルバイトを対象に時間や地域を限定した正社員への転換制度を始めた。直営店440店で最低1人ずつ、正社員を増やす計画だ。現状では年間3千~4千人のパートやアルバイト社員が入れ替わる。定着化をはかりたい思いもある。

 正社員化は人件費増の要因となるが、「(人材が定着すれば)サービスが向上し、採用・教育コストが減る」(グルメ杵屋)、「働く人と会社の信頼関係があってこそ丁寧な対応や心地よい空間を作り出せる」(スターバックス)と意に介さない。

 経済の低成長が続き、企業は新卒採用を控え、安価で雇用調整しやすい非正規の労働力に依存してきた。非正規雇用者数は昭和63年の755万人から平成25年には1906万人に膨れあがった。しかし、この流れが人手不足と押し寄せる少子高齢化の波により変わろうとしている。大和総研の広川明子主任コンサルタントは「うわべの正社員化でなく、人件費を投資と考えて魅力的な職場にしてこそ真の人材確保やサービス向上につながる」と提言している。


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