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劣化した企業経営者らから叩き出される労働者、リストラのためには手段をも択ばない 

リコー 大規模人員削減 解雇のプロをスカウトし退職強要面談

ビジネスジャーナル

2014年08月03日02時00分 livedoorNEWS

リコー、大規模人員削減で退職強要面談「あなたの居場所ない」 解雇のプロをスカウト

 学者や弁護士、ジャーナリストらで構成される「ブラック企業大賞実行委員会」は6月、「ブラック企業大賞 2014」のノミネート企業を公表した。同賞は労働基準法に違反する長時間労働の強制、パワハラ、残業代未払いなど、労働環境面で著しい問題がみられる企業を「表彰」することで、そうした企業を撲滅しようと12年から始まった。

 今年は民間企業7社と1学校法人、都議会がノミネートされた。このうち、居酒屋チェーン「日本海庄や」を運営する大庄と、西日本旅客鉄道(JR西日本)、ヤマダ電機、アニメ制作のA-1 Pictures、住宅メーカーのタマホームの5社は、過重労働が理由でノミネートされた。このほか、「セクハラやじ事件」が起こった東京都議会、不当な出向命令が発覚したリコー、読者プレゼントの不正を告発した社員を懲戒解雇した秋田書店、未払賃金などで係争中の学校法人智香寺学園 正智深谷高等学校、人材派遣会社のイストがリストアップされた。大賞を選ぶ一般からのインターネット投票は同委員会のHPから、9月6日の授賞式前日まで可能だ。

 ノミネートされた中で有名企業としてリコーの名が目立つが、同社がノミネートされた理由としては、人員削減のプロをスカウトするなどして大規模な人員削減を断行した点が挙げられている。

 11年5月26日。リコーの近藤史朗社長(当時、現会長)は大規模なリストラ計画を発表。グループ全体の従業員約11万人(国内約4万人、海外約7万人)のうち、1万5000人の人事異動と1万人の人員削減を打ち出した。08年秋のリーマンショック後、リコーはライバルのキヤノンや富士フイルムに比べて業績の立て直しが遅れ、円高が進む中、11年3月の東日本大震災を受け、事業環境がさらに悪化した。そのため、「第17次中期経営計画」でリストラ策として大幅な人員削減策に踏み切った。

 11年6月には、国内で1600人程度の希望退職の募集を始めた。それと軌を一にして、「人事に関する面談」と称して狙いをつけた社員を呼び出し、「ここに(あなたの)居場所はない」などという言葉を使い、執拗に退職を迫った。退職強要を断った社員は、倉庫や工場に配転になった。

●出向命令に違法判決

 技術畑を歩きスペシャリスト2級に位置付けられているAさん(仮名)は、希望退職に応じなかったため、子会社に出向を命じられた。出向先は物流系の子会社で、Aさんは単純作業(商品の荷受業務や開梱業務等)の立ち仕事に従事した。Aさんは同様な扱いを受けたBさん(仮名)とともに、出向命令の無効確認を求めて東京地裁に提訴した。そして13年11月12日に下された判決は、次のようにAさんらへの出向命令の取り消しを命じた。

「Aさんらへの出向命令は、Aさんらを選定した点において、基準の合理性、過程の透明性、人選作業の慎重さや緻密さに欠けており、また、出向先での業務はAさんらのキャリアや年齢に配慮されておらず身体的、精神的に負担が大きいものとなった」。そして、「本件出向命令はAさんらが自主退職に踏み切ることを期待しておこなわれたものである。人事権の濫用であり、出向命令は無効」

●日本IBMの人員削減システムを導入

 一連のリコーの人員削減策は日本IBMの人事マニュアルを取り入れたものだ。日本IBMではPIP(業績改善計画)という手法で、人事評価の下位15%を強制的に退職させて組織の“新陳代謝”を図るシステムが導入されている。PIP導入時の社長だった大歳卓麻氏は、この人事制度について「我々が毒見してみて、大丈夫そうだとなれば、日本の会社の皆さんもやりやすい」と語っていた。リコーはこの日本IBMの手法を導入するため、同社から専門家をスカウトしていた。

 PIPを実施した日本IBMでは自殺者が出た。「社員を使い捨てにする」という情報が広がり、技術系の学生が日本IBMを敬遠する副作用が生じた。リコーにも「目先の財務内容を取り繕うために、将来の利益を生み出す担い手となる技術者たちを切り捨てた」との非難が上がった。

 リコー創業者の市村清氏が掲げた「人を愛し、国を愛し、勤めを愛す」の三愛主義は、もはや同社にとっては過去の遺物になってしまった感がぬぐえない。
(文=編集部)


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