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原発事故が与える影響は計り知れない 2件 

社説 原発避難自殺訴訟 痛みに寄り添う判決だ
社説 東電に賠償命令 再稼働への警告受け止めよ

社説:原発避難自殺訴訟 痛みに寄り添う判決だ

 関西電力大飯原発の再稼働を認めないとした福井地裁判決に続く、画期的な司法判断だ。東京電力福島第1原発事故に伴う損害賠償請求訴訟で、福島地裁が東電に対して約4900万円の支払いを命じた。

 判決が大きな意義を持つのは、避難者の女性の自殺と原発事故の因果関係をはっきり認めた点だ。東日本大震災から間もなく3年半。福島では今も12万人を超す人が避難生活を続けている。判決を機に、原発事故がもたらす過酷な現実をあらためて認識しなければならない。

 訴えていたのは女性の夫ら遺族4人。自宅がある福島県川俣町の山木屋地区が事故で避難区域となったため、女性は夫と共に福島市内のアパートに避難。一時帰宅していた2011年7月、敷地内で自殺した。

 判決の論理は明快だ。原発事故は放射性物質を広く飛散させ、住民は避難を余儀なくされる。さまざまなストレスで自殺する人が出ることを東電は予見できた?というのである。

 特に目を引くのは、女性が生まれ育った山木屋地区での生活を詳しく検討していることだ。そこから浮かび上がるのは、平和な暮らしを突然奪われた女性の姿である。

 女性はこの地区で生まれ育ち、58年余りを過ごした。しかし、原発事故で子供や地域の人々とのつながりを絶たれ、養鶏場での仕事も失った。住宅ローンを抱え、展望の見えない避難生活への絶望などから自宅での自殺を選んだとみられる。

 慣れない土地での生活に、女性はどれほど苦しんだのだろうか。その精神的苦痛について判決は「想像しがたく、極めて大きなものだった」と深い理解を示した。まさに避難者側に寄り添った判断といえる。

 ここで思い出さなければならないのは先の福井地裁判決である。原発は電気を生み出す一手段であり、憲法の「人格権」よりも劣った位置にある。豊かな国土に国民が根を下ろして生活している「国富」を奪うのが原発事故だ。そう警鐘を鳴らしたのだ。

 今回の福島地裁判決と共通している点は何か。それは、原発事故の悲惨さに向き合い、大きな被害を受ける住民側の痛みを共有しようとする姿勢だ。

 従来の原発訴訟判決は、行政手続き上の適否の判断にとどまっていた。だが福島原発事故以降、安全性の審査や事故の影響にまで踏み込むようになった。司法の判断が大きく変化していることは心強い。

 震災関連の自殺者が増え続けている事実も忘れてはならない。中でも福島の自殺者は先月までに計56人に上り、増加傾向が著しい。こうした現状で、原発の再稼働手続きを進めることは果たして許されるのか。

 今なすべきことは、避難者の一人一人の生活を支え、将来に希望を見いだせる取り組みに全力を尽くすことだ。

(2014/08/28 付) 秋田魁新報



<社説>東電に賠償命令 再稼働への警告受け止めよ

2014年8月28日 琉球新報

 原発事故と自殺の因果関係を認める画期的な判決と言える。住民の避難生活をめぐり、東京電力の免責を許さない姿勢を司法が明確に示した意義は極めて大きい。

 福島第1原発事故で避難を強いられ、自殺した女性の遺族が起こした損害賠償訴訟で、福島地裁は東電に約4900万円の支払いを命じた。東電によると、原発事故が原因で自殺したとして賠償請求した訴訟で初の判決だ。今後の裁判の先例として大きな影響を与えるのは必至だ。

 福島地裁は「展望の見えない避難生活への絶望と、生まれ育った地で自ら死を選んだ精神的苦痛は極めて大きい」と因果関係を認定。その上で「住民は避難を余儀なくされ、ストレスで自死(自殺)に至る人が出ることも予見できた」と東電の責任を厳しく指摘した。

 悲しみと苦悩を募らせる遺族に寄り添った判決であり、「全面勝訴」(原告側弁護士)とも言える内容だ。東電は真摯(しんし)に受け止め、直ちに賠償金を支払うべきだ。

 東日本大震災と原発事故から3年半近くが経過するが、不自由な仮設住宅暮らしなどを強いられる震災の避難者は今なお24万人を超える。特に福島では、自主避難を含め12万5千人が県内外で避難生活を続けている。

 国と東電は、復興が遅々として進まず、生活再建から程遠い現状を直視すべきだ。過酷な避難生活がもたらす耐え難い精神的苦痛は、人間の尊厳を踏みにじっているも同然だ。それを放置する国の責任もまた計り知れない。

 内閣府によると、福島県の震災関連の自殺者は、統計を取り始めた2011年6月以降、56人に上る。11年10人、12年13人、13年23人と増え、14年も7月までに10人を数える。避難生活が長引くに伴い、増加傾向が顕著となっている。東電は個別の裁判を待つことなく、率先して賠償に応じるべきだ。

 原発事故で自殺者が出ることが予見できたとする判決は、裏を返せば、原発事故を回避する責務を厳しく課すものだ。それは、過酷なフクシマの現状に目を背け、原発再稼働に前のめりになる安倍政権や電力会社に対する警告にほかならない。

 安倍政権は、再稼働に向けて新たな「安全神話」づくりにきゅうきゅうとしているが、安全神話を根底から覆した事故の教訓を思い起こすべきだ。「脱原発」にかじを切るのは今からでも遅くない。


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