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自然災害での貧困化に政治の貧困によって追い打ちをかけられ貧困が劇症化する 

社説 被災地の貧困 認識を深め政治を動かそう

社説 被災地の貧困/認識を深め政治を動かそう

 東日本大震災からの復興に向け、東北の被災地では防潮堤や高速道路の建設、宅地や災害公営住宅の整備が目に見える形で進む。有効求人倍率は1倍を超え、経済指標も消費税増税の影響を受けつつも底堅さを保つ。

 被災地以外の人々は、逆境から立ち上がり、生活再建の道を着実に歩む被災者の姿を思い浮かべているかもしれない。

 ただ、多くの被災者の暮らしと家計の実態は、そうした状況とは大きく異なっている。

 本紙連載の「かすむ復興」で、支え合って暮らしていた地域を失い、貨幣経済にのみ込まれた高齢者、世帯主や職場を失った一人親、福島第1原発事故で家族離散を余儀なくされた避難者らの窮状を伝えた。

 「津波さえ来なければ…」。そんな思いから一歩も出られないでいる被災者にとって「復興」はいかにも現実感に乏しい。

 一般社団法人パーソナルサポートセンターが震災から約1年後に仙台市内の仮設住宅の入居者1369世帯を対象にした調査によると、生活保護水準に近い年収150万円未満の世帯は、プレハブ仮設住宅居住者で全体の約4割、民間賃貸のみなし仮設住宅で約3割を占めた。

 高齢者や母子家庭の低所得者は震災前から生活に困窮していた。脆弱(ぜいじゃく)な基盤を破壊された被災地で潜在していた貧困問題が、時間の経過とともにあらわとなり、拡大している。

 気になるデータがある。阪神大震災の発生から10年後の2005年、兵庫県が行った生活復興感調査だ。自宅が全壊した被災者の暮らし向きを聞いたところ、年収1000万円を超す高所得者は約4割が震災前より収入が増えたと回答。300万円未満の人は7割以上が「減った」と答えた。

 時代背景、被災地の環境に違いはあるが、安定した収入を得る職に恵まれた被災者が比較的容易に以前の暮らしを取り戻す一方、低所得者の受けるダメージは大きく、震災の後遺症に長く苦しむ傾向に目を向けたい。

 被災地の貧困問題解決に向け、行政や地域団体、NPO法人などが尽力している。ただ、被災地を網羅する抜本的な対策の実施は政治が担うほかない。

 貧困対策は震災前から重要課題だった。地域や国民の経済格差は2000年代に入ってから顕著になり、配慮を欠いた自民党は政権から転落した。「国民の生活が第一」をうたった民主党政権は実行力を伴わず、有権者から見放された。

 津波と原発事故でより大きな影響を被った低所得者の暮らしは、政治の貧困によって劇症化しつつあるのではないか。

 自然災害などで生じる、あるいは拡大、深刻化する貧困は、ひとごとではあり得ない。

 政治は「自己責任」で救い切れない現実に、正面から向き合うべきだ。貧困問題の解決を被災地を超えた社会の共通課題と位置付ける国民の意識も欠かせない。震災から3年7カ月。あの時学んだ「分かち合い」の大切さをあらためて問い返そう。

2014年10月11日土曜日 河北新報


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