沖縄の労働者に労基法を適用させず負担を強いるとんでもない協定/多様な働かせ方ではなく、多様に働ける実現こそ進んだ社会だ 2件 

連合沖縄 基地従業員 国内法適用を ILOに提訴へ
社説 妊娠降格に違法判決 多様な働き方へ発想の転換を
社説 マタハラ訴訟判決 堂々と産み、働ける社会に

基地従業員に国内法適用を 連合沖縄、ILOに提訴へ

2014年10月26日 11:15 沖縄タイムス

 米軍基地で働く従業員に国内の労働関係法規が適用されない問題をめぐり、連合沖縄の大城紀夫会長は25日、国連の国際労働機関(ILO)に実態を提訴して勧告を求める方針を示した。宜野湾市内で開かれた全駐労沖縄地区本部(與那覇栄蔵委員長、6千人)の第84回定期大会で明らかにした。国際世論に訴えて日米両国を動かし、国内法の適用を阻んでいる日米地位協定12条の改定を目指す。

 ILO提訴のほか、約150カ国の労働組合が加盟する「国際公務労連」(PSI)や、約160カ国が加盟する「国際労働組合総連合」(ITUC)に問題提起して決議を求めることも検討している。

 全駐労は連合に加盟する基地従業員の労働組合。大城会長は連合(古賀伸明会長)との連携に向けて調整中として「ILOを含め国際的な世論喚起が必要だ。国際的に米軍の労働者に対する違法行為をただすことができる」と述べた。

 基地従業員は、雇用主は日本政府、現場で実際に業務を指示する使用者は米軍という特殊な雇用形態。地位協定12条の例外規定により従業員の国内法適用で米軍合意が得られず、労働基準法など労働者を保護する労働法規が完全に適用されていない。



社説 妊娠降格に違法判決 多様な働き方へ発想の転換を

2014年10月26日(日) 愛媛新聞

 妊娠による降格は、原則違法―。最高裁が一、二審を覆し、初の判断を下した。広島市の病院に勤務していた理学療法士の女性が、病院側に賠償などを求めた訴訟だ。女性が自由意思で同意するか、業務上の必要性など特殊事情がない限り、例外は認められないと、違法かどうかの「線引き」ルールも示した。

 働く女性が、妊娠や出産を機に解雇や減給など不利な扱いを受けるマタニティーハラスメント(マタハラ)は、後を絶たない。男女雇用機会均等法で明確に禁じているが、罰則がないこともあって、施行から30年近くたってなお、多くの女性が泣き寝入りを強いられている。

 女性が子どもを産み育てながら安心して働ける社会の実現へ、一石を投じた判決の意義は大きい。企業は重く受け止め、足元を見つめ直してもらいたい。行政が問題企業を厳しく指導する仕組みづくりなど、社会全体で労働環境改善に取り組まねばならない。

 安倍政権は女性が活躍できる社会を看板に掲げている。一方で少子化対策として出産も奨励する。ハンディやリスクを解消しないまま、スローガンを並べているだけでは、どちらも実現できまい。

 厚生労働省の統計によると妊娠出産による不利益処分に関する相談は、昨年度2千件を超えた。連合が昨年から実施している調査でも、解雇や自主退職への誘導、重労働の強制など生活や健康に関わる深刻な訴えが目立つ。「出産は病気じゃない。甘えるな」「周囲に迷惑がかかる」などの言葉に追い詰められた末、流産に至った事例もあり、放置できない。

 これらは意識改革や個々の対応だけでは解決しない。雇用側に余裕がなく、カバー体制の不備によって、産休や育休で周囲にも大きな負担がかかる。組織的に支えられるシステムづくりが不可欠だ。

 しかし、これまでのように人件費を削り、ぎりぎりの人員と長時間労働で、より多くの利潤を追求し続けている限り、いつまでたっても、改善はできまい。

 この機に、使い勝手の悪い人を切り捨てる効率最優先の社会から、多様な人が労働と利益を分け合って働ける社会へと、発想転換を求めたい。これは妊婦に限った問題でない。今後ますます増える介護に対応し、男性の育休取得を保障し、病気や障害があっても持てる力が発揮できる安定した労働環境を構築したい。

 少子高齢化や労働者不足はより深刻さを増す。残業や配置転換をさせやすい人を良い労働者とする考えは、とうに見直す時期に来ている。多様な人が力を出し合える働き方をつくらない限り、社会が立ちゆかなくなることは、目に見えていよう。



<社説>マタハラ訴訟判決 堂々と産み、働ける社会に

2014年10月26日 琉球新報

 安心して子を宿し、産んで、育てて、そしてまた働きがいのある職場へ戻る。女性のそんな働き方が実現できるよう大きな転機となることを期待したい。

 最高裁は、女性が妊娠後に降格されたのは男女雇用機会均等法が禁じる不利益処分に当たるとして、違法との初判断を下した。

 同時に例外基準も示した。女性が自由意思で降格に同意した場合と、業務上の必要性など特殊事情が生じるときに限定した。

 最高裁判決は、企業側にマタニティーハラスメント(マタハラ)防止の意識を強くさせ、女性が活躍する社会づくりを後押しするものと評価できる。

 これまでマタハラ被害を受けながら泣き寝入りせざるを得なかった女性たちが、声を上げやすくなるはずだ。

 女性は第2子を妊娠し、産休と育休を取得する前に軽い業務への転換を求めたところ、副主任を外され、管理職でなくなった。副主任手当を失う経済的損失もあろうが、何より理不尽な扱いに傷つき、憤り、悔しさを募らせたはずだ。

 しかし、妊娠・出産を機に退職を迫られたり、雇い止めになったりしたという話は枚挙にいとまがない。昨年の連合の調査では、在職中の4人に1人がマタハラ被害を経験したと回答した。

 最高裁判決は違法かどうかの線引きを初めて示す一方で、降格の同意の有無を裏付けるプロセスや、どういう場合が特殊事情に当たるのかには触れていない。

 通常は個別の司法判断を重ね、防止のルールが出来上がるのだろうが、それを待ってはマタハラ被害を増やすだけだ。行政は早急にガイドラインを作り、無用な混乱や被害を防ぐべきだ。

 安倍政権は成長戦略の中に「女性の活用」を掲げ、「女性が輝く社会」を実現するという。行政は少子化対策に取り組みながら、その一方で妊娠・出産を理由に職場を追われる女性がいるという矛盾を放置してはならない。

 これは女性だけの問題ではない。いったん親の介護が始まれば、男性も業務軽減を職場に求めざるを得ない状況が起こる。

 少子高齢化で労働力人口が減る中、女性が産み育てながら働ける社会を保障しなければならない。それを可能にする社会が、働く人にも企業にも利益になるはずだ。


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