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非正規という労働格差を作り出していては明日の日本はない/中小企業の労働者や非正規の賃上げ無くして景気は語れない 

正規・非正規労働の問題を乗り越えることはできるのか?
社説 ベア2%以上要求 実質賃金上昇を中小にも

正規・非正規労働の問題を乗り越えることはできるのか?

2014年12月4日 11:54 沖縄タイムス

島田 尚徳(しまだ しょうとく)
ランドブレイン株式会社沖縄事務所研究員

 先月、衆院が解散され、現在、総選挙が行われています。

 解散前の臨時国会においては、主な労働関係の法案として「労働者派遣法の改正案」や「女性の活躍推進法案」について議論されていましたが、解散により廃案となり、成立しませんでした。

 個人的にはどちらの法案とも拙速な審議で成立するよりは、国会での議論を通して、国民の関心が高まり、そして、十分に議論を経たうえで採決が行われるほうが望ましいと考えています。今後の国会でもあらためて議論されることになると思いますが、メディアも含めた社会全体で議論が活発化することを期待したいです。

 今回は、総選挙で議論してほしい日本の雇用問題の中で、最も重要なテーマの一つである「正規・非正規職員」の問題についてデータを紹介しながら考えてみたいと思います。

●増加傾向が続く非正規職員

 日本においては従来、(特に大企業と呼ばれる)企業に正社員として採用されると、仕事内容や勤務地などは企業の都合で変更されることがある一方、定年までは容易に解雇されることがありませんでした。また、給与も勤続年数や年齢を考慮して支給されることから同一の職場で定年まで働くことが、労働者にとってもメリットがありました。

 しかし、経済環境の変化に伴い、企業も海外の企業との競争などにさらされる中で、多くの労働者を従来の正社員というカテゴリーで雇い続けるのが困難になってきました。その結果、多くの企業は、雇用者数を調整しやすい非正規職員というタイプの社員を採用するようになっていきました。

 実際、非正規職員の割合は、全国的にも沖縄県内でも増加傾向にあります。2012年の総務省の就業構造基本調査によれば、全国平均で非正規の職員・従業員の割合は38.2%で前回調査の2007年の35.5%と比較すると2.7ポイント増加しています。沖縄県内においても、2012年は44.5%で、前回調査の2007年の40.7%と比較すると3.8ポイントも高くなっています(図を参照)。ちなみに、沖縄県内の非正規職員・従業員の割合は全国で最も高い割合です。

 なぜ沖縄地域で高いのか、という点に対して明快な理由を持って説明することは難しいのですが、規模が小さい企業が多い、サービス業が全国と比較して多いなどの要因が推察されます。

●非正規から正規職員へのなりづらさ

 ただ、非正規職員であっても転職活動などを行うことで、ある程度容易に正規職員になれるのであれば、そこまで問題は深刻ではないかもしれません。では、実際のデータを見るとどうなっているのでしょうか。 2012年の就業構造基本調査から、沖縄県内における過去5年間の正規・非正規職員の転職状況を見てみると、前職が正規職員で、現職も正規職員に転職したものは51.2%でした。前職が正規職員で現職が非正規職員に転職したものは48.8%となっています。

 一方、前職が非正規で、現職が正規職員に転職したものは26.9%にとどまっています。前職が非正規で、転職後も非正規のままという方は73.3%にも上っているのです。

●賃金差も大きい

 賃金についても正規・非正規間で差が大きいのが現実です。2012年の就業構造基本調査をもとに推計してみると、沖縄県内の正規職員の方の平均年収は約328万円でした。一方、非正規職員の方は126万円で、約202万円の差がありました。そして、当然ではありますが、年代が上がることに年収の差は広がっていきます。20代の時は正規と非正規の方の年収差は100万円強だったのですが、30代になると170万円の差、40代、50代では260万円前後もひらいてしまうのです(図参照)。

 年代別に見ると非正規職員で最も高い年収の年代は30代ですが、金額は135.5万円にすぎません。20~50代を通して年収は125万~135万円程度で推移しています。非正規職員の賃金はほとんど上昇しないのです。

 この推計は非常に大まかな計算であり、就業時間などを考慮した数値ではないので、時間で換算すると正規と非正規職員の賃金差は縮小する可能性はあります。ただ、正規・非正規間の比較で最も大きな問題は、正規職員は年齢が上がるごとに賃金が上昇している一方、非正規職員は賃金がほとんど変化しない点にあります。

 社会生活を送る上では、ライフステージごとにそれなりの支出を必要とします。たとえば結婚、出産、子供の入学、親の介護など想像してみてください。一般的に、年齢が上がるほど支出金額は増大していきますが、非正規職員のままで賃金が変わらないとなると、それら支出を伴うイベント・課題を乗り越えることができません。また、その支出が不可能だと悟り、最初から結婚、出産など支出の伴うことを諦めてしまう方も出てくるかもしれません。

 冒頭で紹介しましたが、現在の経済社会において企業は国際間の競争にさらされており、単純に非正規社員を正規職員にするという解決方法の選択は難しいかと思います。定年まで雇用を保証するような企業は少なくなっていくと考えられます。しかし、同じ仕事をしているのにもかかわらず、正規・非正規という身分の差だけで賃金の差が発生するのは好ましいことだとは思えません。また、完全に雇用が不安定化するのは、個々人の人生設計を考える上でマイナスです。

 このような時代だからこそ、自らでビジネスチャンスを見つけ出し、起業し経営者としてチャレンジする人が増えていくことは望ましいと思います。一方では、起業のリスクを取りたくない、余暇や家族との時間を優先したいような方々も大勢いると思います。

 社会情勢の変化もあり、従来のように与えられた仕事を淡々と行っていれば安泰、という時代は過ぎました。しかし、個人的には、(抽象的な表現ではあるのですが)経営者になることを望まない「大多数の労働者」が、そこそこ働いた結果、そこそこの給与を得ることができる、という雇用環境、働き方の実現に向けた方向性を模索する必要があると思います。正規職員、非正規職員という二分法を超えて、新しい雇用形態、働き方を社会全体で本気で考える時期に差し掛かってきているのではないでしょうか。

 現時点では私自身も望ましい労働社会のあり方について、全体像を描くことができていません。私としても多くの労働者が安心して働くことができる労働環境とは具体的にはどのようなものなのか、といった点を考えてきたいと思っています。(了)



<社説>ベア2%以上要求 実質賃金上昇を中小にも

2014年12月4日 琉球新報

 連合は来春闘で、定期昇給(定昇)分に加え、2%以上のベースアップ(ベア)を要求する方針を決めた。2年連続のベア要求で今春闘の1%以上から引き上げた。

 春闘の行方は、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の真贋(しんがん)を見極めるバロメーターの一つとなろう。年明け以降に本格化する労使間の協議はもとより、賃上げをめぐる政府圧力の有無などにも注視したい。

 アベノミクスは円安株高を演出し、一部の大手企業や富裕層に恩恵をもたらしたのは確かだ。半面、消費税増税や円安による原材料価格の高騰などで物価上昇は続いており、庶民の暮らしを圧迫している。

 物価変動の影響を加味した実質賃金は、ことし9月まで15カ月連続でマイナスだ。物価高に賃金上昇が追い付かず、庶民の節約志向はむしろ強まっている実態がある。

 安倍晋三首相は賃上げをアベノミクスの成果と強調するが、額面通りには受け取れない。現段階では副作用のマイナス効果の方が大きいと捉えるべきだろう。

 とりわけ、もともと給与水準の低い中小零細や地方企業と大手企業の格差は広がっている。さらに、正社員と比べて賃金水準が低い非正規労働者が増えていることも、実質賃金が低下する要因となっていることにも留意が必要だ。

 安倍首相はこの2年間で「雇用は100万人以上増えた」と強気の姿勢を崩さないが、「雇用の質」の観点から疑問だらけだ。総務省の労働力調査で、2012年7~9月と14年7~9月を比較すると、正社員は22万人減ったが、非正規は123万人増えている。果たして、この現状を景気回復と呼べるだろうか。

 賃金上昇や雇用の改善が進み、消費や投資が活発化して初めて「経済の好循環」が生まれることは、衆目の一致するところだ。企業は先行き不透明を理由に、これまでのように利益を内部留保に回すことがあってはならない。

 連合は中小の労働者については定昇とベアの合計で一律1万500円のアップを要求し、初めて傘下の全組合がクリアすべき月給の「最低到達水準」を設定した。来春闘では、実質賃金がプラスになるような賃上げを実現し、中小や地方へもしっかりと波及させてもらいたい。併せて、非正規と正規の格差解消に向けても労使双方で知恵を絞ってほしい。


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