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国民は明るい明日を求めている 2件/ほか 

社説 2014衆院選 雇用政策 働き方の質を高めねば
社説 [社会保障] 将来ビジョン明示せよ
労働経済動向調査(平成26年11月)の概況 厚労省

社説 <2014衆院選>雇用政策 働き方の質を高めねば

(12/11)北海道新聞

 安倍晋三首相はアベノミクスの成果として、「就業者数の100万人増加」「過去15年で最高の賃上げ率」といった雇用・賃金指標の改善を再三強調する。

 だが、その中身を検証すると、この2年間で増えたのは非正規雇用で、逆に正社員は減少した。

 確かに、今春闘で15年ぶりに2%台の賃上げ率が実現したが、あくまで大企業が中心だ。しかも賃上げが物価上昇に追いつかず、実質賃金はマイナスが続く。

 恩恵は中小企業や非正規労働者には行き渡らず、野党はむしろ格差が拡大したと批判している。

 問われるべきは雇用の質であり、とりわけ、雇用者全体の約4割を占めるにいたった非正規労働者の待遇改善が急務だ。

 自民党は「多様な働き方を妨げる規制の改革」を掲げ、非正規のキャリアアップ、正規雇用への転換を果断に進めるとしている。

 公明党も助成金などを活用した正規雇用の転換を主張しているが、いずれも具体性に乏しい。

 一方、安倍政権は先の臨時国会で、企業の派遣労働者受け入れ期間の上限を撤廃する労働者派遣法改正案の成立を図った。

 衆院解散で廃案になったものの、企業にとっては、働き手を入れ替えることで、派遣の形態を続けることを可能にする内容だ。

 派遣先企業への直接雇用の依頼などを派遣会社に義務づけているが、両者の力関係を考えれば、実効性には疑問符が付く。

 むしろ正社員から派遣社員への置き換えを促す恐れがある。正社員化推進の公約と矛盾するのではないか、との疑問に与党はきちんと答えるべきだ。

 さらに、政府は高度の専門職を対象に、労働時間ではなく成果で賃金を支払う「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入を目指している。

 労働団体が懸念する通り、これが「残業代ゼロ」の長時間労働を広げるきっかけとなれば、雇用環境は劣化するだろう。

 安倍政権は、労働関係の規制を経済成長を阻害する「岩盤」とみなしているようだ。

 民主、生活、社民の各党は一連の労働規制緩和に反対し、維新の党とともに「同一労働同一賃金」による格差解消を主張する。

 共産党はブラック企業やサービス残業の根絶のための規制強化も訴えている。

 雇用は生活の安定だけでなく、少子化対策にも密接に関わる。各党の主張を慎重に見極めたい。



社説 [社会保障] 将来ビジョン明示せよ

2014年12月11日 05:30 沖縄タイムス

 私たちの暮らしにかかわる社会保障は、政治の大きな課題の一つであるはずだ。しかし、今回の衆院選で大きな争点となっているとは言い難い。消費税再増税の先送りで、社会保障の充実策の財源確保が困難になり、社会保障政策の行方が見えにくくなったこともあるだろうが、各党は「負担と給付」の議論も含め、社会保障の将来ビジョンを明確に示すべきだ。

 日本社会は急速に少子高齢化が進み、毎年1兆円規模で増え続ける社会保障費の多くを借金でしのいできた。いわば将来世代へのつけ回しで賄われているのである。

 「負担と給付」の問題をどう考えるか。その解決に向けた政治の決断が、2012年の3党合意による「社会保障と税の一体改革」だった。

 3党合意を受けて医療や介護など改革の道筋を示す「プログラム法」が昨年成立したが、制度見直しに対する安倍政権の取り組みは弱く国民に浸透しているとはいえない。

 一方で高齢者の貧困問題は深刻だ。厚生労働省によると、全国で生活保護を受けている世帯は過去最多の161万世帯。その半数近くが65歳以上の高齢者世帯だ。再増税先送りで低年金・無年金者への支援策も延期されそうだ。

 1人暮らしや夫婦だけの高齢者世帯が急増している。今後、人口は減少し、子どもや働き手が減り高齢者の割合は一層高まる。格差の解消のために、社会保障の所得再分配機能を強化しなければならない。

    ■    ■

 社会保障制度は現役世代が高齢世代を支える側面が強いが、現在の制度は、世代間の格差を広げているという指摘もある。

 高齢者が増えれば年金や医療、介護にかかる費用が増える。社会保障にかかる社会保障給付費はこの20年でほぼ倍増。12年度約110兆円で、このうち高齢者向けの費用が約7割を占めた。

 1人のお年寄りを支える現役世代の数は、1990年には5・1人だったのが、いまは2・3人、団塊の世代が75歳以上になる2025年には1・8人にまで細る。

 厚労省の試算によれば、10年時点で70歳になった厚生年金加入世帯は、支払った保険料の6・5倍の年金が支給されるが、30歳以下の世帯は2・3倍しか受け取れないという。

 「負担と給付」のアンバランスは世代間格差への不満をもたらしかねない。放置すれば、制度の維持に支障をきたす事態を招くだろう。

    ■    ■

 朝日新聞の声欄(11月3日付)に、東京の大学生がこんな意見を寄せていた。「消費税増税後も、若者が生涯で得られる所得や年金は、高齢者より絶対少ない。その現実を度外視してまで支えてあげるほど、われわれはお人よしではない」。世代間の不公平感を政治が真正面から受け止めなければならない。

 高齢者の中にも富裕層はいる。いわゆる世代内格差である。将来へのつけ回しでなく、所得再分配も含め、持続可能な制度設計に知恵を絞るべきだ。



労働経済動向調査(平成26年11月)の概況 厚労省
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keizai/1411/index.html


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