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グローバル経済は自国民に経済的幸福をもたらさない 

労働分配率 今後上昇する可能性は アメリカ

米国の労働分配率、今後上昇する可能性は

By GENE EPSTEIN

2014 年 12 月 15 日 15:52 JST THE WALL STREET JOURNAL

 オバマ米大統領は今月、財界幹部との会合で「企業利益は60年ぶりの高水準にあり、株式市場は150%高となったものの、これまでの上昇局面において見られたような賃金や所得の大幅な上昇は起きていない。これは、指標が総じて良好に見えるのにもかかわらず、一般大衆の間で不安が広がっている原因」だと述べていた。

米国民所得に占める雇用者報酬の割合(民間部門)

 大統領はさらに、「生産性や利益が上向く一方で国内総生産(GDP)全体に占める賃金や所得の比率は低下した。これは経済状況が総じて良好なのに悲観的な見方が底流にある一因となっている」と強調した。こうした論調はメディアでも繰り返し伝えられている。GDPに占める営業余剰の比率はその高さを更新している一方、雇用者報酬の比率はこれまでにないほど低下している。第二次世界大戦後に適用されてきた市場のルールは、なぜか効果を失っている。

 この伝統的な見方について、きちんと精査されている部分は極めて小さい。

 GDP全体のうち雇用者報酬に向かう比率を押し上げる要因は、現在のところ何もないかもしれないが、この傾向が大局的な要因による影響の存在を示唆しているわけではない。これは営業余剰の比率についても同様だ。産業構造の変化、つまり、高収益の金融サービス業が長期的に繁栄し、米国企業の海外拠点における利益が拡大していることなどについてきちんと整理してみれば、大統領が言及した「不安」や「悲観主義」の妥当性を裏付けるものはほとんど見られない。

 手始めに、総所得に占める雇用者報酬の比率(労働分配率)を見てみよう。左のグラフは1947年以降の民間セクターの労働分配率を示している。ご覧の通り、今年7-9月期は62%だ。2011年からこの水準で推移しており、縮小の兆しはみられない。1980年4-6月期につけたピークの70%よりは下がったが、40年代終盤から50年代初めの水準はやや上回っている。

 このグラフが示すように、リセッション(景気後退)とその余波は総じて分配率を圧迫する。これは驚くには当たらない。リセッション後も失業率は高止まり、労働市場にスラック(余剰資源)がうまれるからだ。30年代の大恐慌以来で最も深刻なリセッションだった2007?09年の「大不況」には、分配率が特に急激に下がった。

 コロラド州ベールのアプライド・グローバル・マクロ・リサーチ(AGMR)のエコノミスト、ジェーソン・ベンダリー氏によると、民間セクターの労働分配率の変動は、主に労働生産性と失業率で構成される変数によって説明できる。ベンダリー氏の説明変数によれば、05年から06年にかけての落ち込みにはアノマリー(理論的に説明できない現象)が見られるものの、06年以降の報酬の変動は比較的正常だという。ベンダリー氏は、失業率の低下が続く中、今後数年で分配率は上昇するとみている。

 また、用語の定義についても一つ問題がある。ベンダリー氏は「賃金と所得」全般に言及しているが、この「報酬」には賃金と給与だけでなく、これらを補う「手当」も含まれている。

 こうした手当が総報酬に占める割合は徐々に拡大しているため、これを報酬の総額から除外すれば長期的な傾向をゆがめることになる。例えば、非金融企業部門では、1947年に報酬の5.1%を占めていた手当の割合が着実に拡大し、93年には18.7%のピークに達した。今年も7-9月期までで16.6%となっている。

 オバマ大統領は、企業利益が60年ぶりの高水準に達していることにも言及した。だがこれは誤解を招く恐れがある。部門全体での変化と部門内の利益率が明確に分けられていないからだ。

 まず、金融と非金融部門を分けてみたい。国内の非金融企業部門と、金融企業部門の利益はそれぞれ、60年間の最高を著しく下回っている。だが、金融部門はこの期間、直近のリセッション(景気後退)期は除き、国内総生産(GDP)を大幅に上回る成長を遂げており、利益率は総じて非金融部門を大きく上回っている。

 次に、国内事業と海外事業を区別しよう。海外子会社が海外で稼いだ利益は大幅に伸びた。だが、この生産は国外で発生したものであるため、GDPの構成要素にはこれに相当するものがない。

 この3つ、つまり金融、非金融、海外の利益を合計した場合に限り、企業利益は60年ぶりの高水準にあると言えるのだ。現在、労働市場が逼迫(ひっぱく)しているため、営業余剰の伸びは減速し、雇用者報酬の伸びは加速することが見込まれる。それで米企業が通常通りに営業できればいいのだが。


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