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未来の日本はエネルギー政策にかかっている、自公政権ではエネルギー改革はできない 

社説 エネルギー政策 民意とずれては進まない
社説 再生エネ見直し 「原発回帰」は許されない
社説 再生エネルギー 原発依存が普及を阻む

社説 エネルギー政策 民意とずれては進まない

 政治や行政の役割とは何だろうか。民意に基づき、国民の意思を実現するための制度や政策を進めることが基本ではないか。だが、エネルギー政策は違うようだ。

 2011年3月の東京電力福島第1原発事故で国民の意識は変わった。脱原発の流れが広がった。今も原発の再稼働に反対する声が強い。その中で経済産業省の原発回帰の姿勢が際立ってきている。

 既成事実を積み上げ、国民に仕方ないと思わせ、従わせようという戦術か。だが、原発をめぐる国民の合意ができないままでは、かえって行政の停滞を招かないか。

 ▼国民を惑わせる報告書

 「原発が抱える問題は安全性の他にもあるため、安全性を確認した原発の再稼働を進めるという考えは間違い」「原発は他の技術と比較して異次元の危険性を内包した施設であり、過去、安全神話に陥っていたことは問題」

 こんな文章があると思えば、正反対の考えを示す文章もある。

 「原子力は数年にわたって国内保有燃料だけで生産が維持できることから、重要な選択肢となる」「古い原発の安全炉への転換をはじめ新増設・リプレース(建て替え)方針を明らかにすべきだ」

 前の二つは脱原発派だろう。後者は維持・推進派の見解である。

 経産省の総合資源エネルギー調査会原子力小委員会で先月27日に示された中間整理案にあった。

 有識者による原子力小委は今年6月に動きだした。その2カ月前に閣議決定されたエネルギー基本計画を受け、原子力分野の方針を具体化するための議論を始めた。

 専門委員を含めた26人の委員の大半は原発維持・推進派である。だが、推進だけでは均衡を欠くので脱原発派も少し加えている。

 経産省の本音は原発推進でも、少数派の意見は無視できないから報告書などでは両論併記となりがちだ。それを読む国民は具体的な方針どころか、対立し、分裂した内容に戸惑いを覚えてしまう。

 推進派にはこれでいいのかもしれない。議論を続ける一方で既成事実を積み上げていく。それは原発再稼働であり、原発を持つ電力事業者への支援策の強化である。

 深刻な事故が起きれば電力会社だけでは手に負えない。福島事故を見て、巨額の投資を長時間かけて回収する原発のリスクを電力会社はあらためて意識した。そこで、支援強化を国に求めている。

 時間がたてば国民の意識も変わると安倍晋三政権は考えているのだろうか。曖昧な表現にとどめ、具体的な数字を示さない中途半端なエネルギー政策のまま安倍政権は発足から間もなく2年になる。

 一つの政策が決まらないことは他にも影響を及ぼす。国際社会での日本の存在感も薄れる。今月、ペルーで開かれた気候変動枠組み条約第20回締約国会議(COP20)も、そんな雰囲気があった。

 温室効果ガスの主要排出国でありながら、削減目標の提出時期の見通しすら立たない日本に対し、国連の事務総長をはじめに早期提出を促す声が相次いだという。

 デンマークは2050年までに石油や石炭など化石燃料を使わない社会の実現を目指す長期ビジョンを掲げる。そのベースにあるのが与野党の合意であるという。

 ▼地域対立の原発よりも

 政権交代があっても、エネルギー政策の基本に変更がない安心感から、個人も企業も長い目で見た投資が考えられるというわけだ。

 与野党合意の背景に世論があることは言うまでもない。私たちは原発を含めエネルギー政策をどうするか、正面から議論し、国民の合意を得るよう求めてきた。

 原発政策を曖昧にして時を待つような姿勢では、世界の大きな流れに取り残されるのではないか。

 ところで、重い家計負担があってもなぜ、ドイツなどで再生可能エネルギーの普及が進むのか。有識者を集めた経産省の委員会の一つで面白いやりとりがあった。

 再生可能エネルギーを使った発電の主体が地域であり、住民が企業を組織してやるからだとの解説である。風力発電も地域住民で考え、計画して、自分たちの地域に建設するから反対も起きにくい。

 結果、再生エネの普及が進み、地域活性化にもなる。立地自治体と周辺地域との対立を生みやすい原発に比べると、どこにも可能性がある再生エネは夢がある。そう思う国民が多いのではないか。

=2014/12/21付 西日本新聞朝刊=



<社説>再生エネ見直し 「原発回帰」は許されない

2014年12月21日 琉球新報

 政府は太陽光の発電抑制を柱とする再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の抜本見直し策を決めた。

 東京電力福島第1原発事故から3年9カ月。再生エネは脱原発の切り札として期待された。わずか2年で政策転換する理由は何か。再生エネを普及させる道はいくらでもあるはずだ。

 衆院選で原発・エネルギー政策は踏み込んだ議論にならなかった。自公で3分の2以上の議席を獲得した途端、安倍晋三首相は原発再稼働を急ぎ「この道しかない」とばかりに原発回帰を鮮明にしている。脱原発を求める多くの国民の声に耳を傾けない姿勢は数のおごりだ。時計の針を逆戻りさせてはならない。

 太陽光発電は出力が大きく変動する。電力会社は電気の周波数や電圧が乱れて電気の品質が悪くならないように、接続可能量に上限を設定している。

 だが別の道はある。ドイツは総電力の25%を再生エネが占める。太陽光と風力が中心だ。例えば再生エネの出力変動を調整する際、石炭火力より出力を柔軟に変えられるガス火力を使っている。先進事例を学べばいい。

 他にも道はある。揚水発電だ。電力に余裕があるときにポンプを使って標高の高い場所に水をくみ上げ、電力が不足した時、ためた水を標高の低い場所に流して水車を回して発電する。国内に40カ所以上あり、総出力は2600万キロワットと世界最大規模だ。しかし昨年は3%しか利用されていない。この「巨大蓄電池」を活用すればよい。

 蓄電池をうまく使う道もある。電力系統への接続を昼夜に分け、昼間発電した一部を蓄電し、ためた分を夜間売電する方法だ。

 太陽光に後ろ向きなら、さらに別の道がある。デンマークは2010年までの30年間に再生エネの割合を3%から20・2%までに伸ばした。再生エネの7割がバイオマス、2割が風力だ。太陽光は0・5%にすぎない。バイオマスや風力などの比率を高めることは十分可能だろう。

 このように道はいろいろある。当初の制度設計に不備があれば、持続可能なように前向きに見直せばいい。今回の制度見直しで電力会社が再生エネ事業者に発電量の抑制をしやすくした。これでは再生エネの導入機運は後退する。原発再稼働を望む電力会社の思惑に従えば国益を損ねてしまう。



社説 再生エネルギー 原発依存が普及を阻む

(12/21)北海道新聞

 電力5社が太陽光発電の新たな受け入れを中断していた問題を受け、経済産業省は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の見直し案を発表した。

 電力会社が太陽光発電の事業者に対し、補償金を払わずに発電の抑制を無制限に要請できるようにし、抑制の対象設備を小規模な家庭用にも拡大する内容だ。

 電力5社のうち、北海道、東北、九州の太陽光発電の受け入れ可能量は、国の認定を受けた設備の半分程度にすぎない。

 発電の抑制強化を受け、5社は受け入れを再開する見通しだが、事業者は買い取ってもらう量が減り、採算が悪化して計画の変更を迫られる恐れもある。

 価格面で優遇され、建設が容易な太陽光の急増は当初から予想されており、事態を放置してきた経産省の責任は重大だ。

 今回の見直しで、発電の抑制方式を1日単位から時間単位に改め、事業者に通信装置の設置を義務付けて遠隔制御を可能にする。

 天候に左右される太陽光や風力の活用にはきめ細かな制御が前提で、欧州各国では、こうした仕組みは常識だ。対応が遅く、場当たり的と言わざるを得ない。

 何より、再生エネを普及させるには、明確で高い導入目標と、将来の電源構成比率が不可欠だが、一向に示されない。これなくしては、事業者は展望を持てず、投資をためらうだろう。

 政府のエネルギー基本計画の再生エネ比率は、2030年に約2割を上回るという極めてあいまいな表現にとどまっている。

 2割は東日本大震災前の前回計画と同様のあまりに低い水準だ。しかも前回が原発比率を約5割としていたことを考えれば、非現実的とさえ言える。

 電力会社の再生エネ受け入れ可能量の妥当性にも疑問がある。

 電源構成比率の議論が先送りされているにもかかわらず、電力各社は保有する原発の稼働を前提に可能量を算定している。

 これでは、再生エネの導入を最大限加速し、原発依存度を可能な限り低減させるとの政府方針とはあべこべに、原発依存度に合わせて再生エネの枠を絞るようなものではないか。

 再生エネを「最大限」活用するには、送電網を拡充して受け入れに十分余裕のある大都市圏に送電する必要がある。

 送電網増強の議論を置き去りにして根本的な解決は図れない。政府の怠慢は目に余る。


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