労働者にとって決して良い一年ではなかった/市場原理が世の中を支配すればそこは荒野へと変貌する/飲んだことのある「バヤリースオレンジ」が/ 

職場のたたかい この1年
社説 持続可能社会 公正・公平を問い直そう
バヤリース 社員が別れ 最後の出勤日 沖縄

2014年12月31日(水) しんぶん赤旗

’14 職場のたたかい この1年

 2014年、職場のたたかいを振り返ります。

原発下請け労働者に労災を認定 3月

1月

 日通アスベスト被害(兵庫) 大阪高裁が日本通運の安全配慮義務違反を認定。元従業員の遺族に約1億3300万円の賠償を命じる。

 印刷胆管がん 北海道の50代男性と、愛知県の30代男性の死亡について、厚生労働省が労災認定。

2月

 大阪市 市役所内の労働組合事務所への退去通知は不当労働行為。大阪府労働委員会が認定し、橋下徹市長に謝罪を命令。

 ビクターサービスエンジニアリング(神奈川) 業務委託契約の労働者でつくる労働組合と団体交渉を行うよう命じた東京高裁判決が、最高裁で確定。会社も「団交に応じる」と回答。

 東京都 消費生活相談員の労働組合が「5年雇い止め」の撤回を求めた団体交渉に、東京都は応じる義務があると認定した東京高裁判決が最高裁で確定。

3月

 関西電力(兵庫) 原発で配管の点検などに従事し、悪性リンパ腫を発病した下請け労働者について、神戸西労働基準監督署が労災認定。

 セブン―イレブン・ジャパン(岡山) コンビニ加盟店ユニオンとの団体交渉拒否について、岡山県労働委員会が、加盟店主を「労働者」と判断し、不当労働行為と認定。

 東芝(埼玉) 過労でうつ病になった労働者を解雇したことについて、最高裁が損害賠償を減額した東京高裁判決を破棄、審理差し戻し。解雇無効は確定。

 社会福祉法人ひまわりの会(神奈川) 組合員の配置転換は不当労働行為と中央労働委員会が判断し、救済命令。

 廣川書店(東京) 継続雇用制度にかかわって労働組合員を差別したことについて、東京都労働委員会が不当労働行為と認定。

 東京都 元都立高校教員について定年退職後の「再任用」の更新を拒否したことについて、東京地裁が裁量権の逸脱として都に賠償を命じる判決。

 香川県 県教育委員会が、未払いとなっていた臨時教員の厚生年金保険料を負担すると決定。

NHK地域スタッフは「労働者」 6月

4月

 北港観光バス(大阪) 解雇撤回、未払い賃金の支払いを求めていた裁判で、大阪高裁が地裁判決を維持し、会社側の請求を棄却する勝利判決。

 エーワンピクチャーズ(東京) 当時28歳男性の自殺について、新宿労働基準監督署が、過労が原因として労災認定。

 田口運送(神奈川) 荷物積み下ろし待機時間は労働時間と横浜地裁支部が認め、未払い賃金の支払い命じる。

5月

 泉南生協(大阪) 労働組合員だけを全員解雇したことに対し、大阪府労働委員会が「解雇がなかったものとして取り扱う」とするなどの救済命令。

 渡島(おしま)信用金庫(北海道) 信金が労働組合への不当労働行為を認定した北海道労働委員会の救済命令を取り消すよう求めた裁判で、札幌地裁が請求を棄却する勝利判決。

 安藤ハザマ(福島) 東電福島第1原発で下請け作業員に労働基準法の上限10時間を超える作業をさせたとして、富岡労働基準監督署が是正勧告。

6月

 仙台市 東日本大震災で公務中に津波にのまれて亡くなった市職員について、地方公務員災害補償基金本部の審査会が特殊公務災害と認定。

 大阪市 橋下徹市長の指示で行った思想調査アンケートについて、中央労働委員会が、不当労働行為に当たるとした大阪府労働委員会の決定を支持。市側の申し立てを棄却。

 KBS京都(京都) KBS京都労働組合の取り組みで、契約社員だった男性の雇い止め撤回や、正社員化、雇用延長が実現。

 NHK(兵庫) 受信料収納などに従事する地域スタッフについて、神戸地裁が「労働者」であることを認め、未払い賃金の支払いを命じる判決。

 トンネルじん肺東北第4陣訴訟(宮城) 原告17人全員の和解が成立。

 トンネルじん肺第3陣2次訴訟(北海道) 原告17人全員が和解。2億5800万円が支払われる。

 神岡じん肺訴訟(岐阜) 三井金属鉱業と神岡鉱業に対し、岐阜地裁が安全配慮義務違反を認め、3億4000万円の支払いを命じる。

 日本IBM(東京) 「ロックアウト解雇」など大量リストラを続けていることに、東京都労働委員会が「紛争の拡大を招くような行為を控える」ことを求める要望書。4月に続く2回目。

ソニー仙台の「追い出し部屋」消滅 8月

7月

 民間病院(京都) 3カ月の育児休業を理由に、男性看護師の昇給を見送ったことは違法。大阪高裁が賠償を命じる。

 餃子の王将(京都) パート・アルバイトを含む全従業員に、未払い残業代2億5500万円を支払うと発表。

 神奈川フィルハーモニー管弦楽団(神奈川) 労働組合員2人を解雇したことは不当労働行為と神奈川県労働委員会が認定。両氏の原職復帰を命令。

 日本郵便(広島) 不当に異動させられ労働組合の活動に支障が出た従業員男性について、広島地裁が不当労働行為と認定。330万円の支払い命じる。

 タクシー業界 タクシー運転者に押しつけられている累進歩合制度や乗務員負担制度について、廃止、見直しへ向けて指導すると政府が回答。

 東京都足立区 戸籍窓口業務の民間委託は偽装請負。東京労働局が是正指導。

 リコー(東京) 希望退職に応じなかった社員への出向・配置転換命令を見直す。

 資生堂・アンフィニ(神奈川) 「非正規切り」裁判で横浜地裁が原告全員のアンフィニ社員としての地位と、賃金支払いを認める一部勝利判決。

 マツダ(山口) 「派遣切り」された労働者の正社員としての地位確認を求めた訴訟について、広島高裁で和解。

8月

 日本航空(東京) 解雇強行の過程で、管財人が労働組合のストライキ権確立を妨害する不当労働行為を行ったと東京地裁が認定。

 ゼンショーホールディングス(東京) 「すき家」の運営について、同社が設置した第三者委員会が1人勤務の廃止など労働条件の改善を提言。

 運送会社ハンナ(奈良) 不当解雇の撤回を求めた裁判で、奈良地裁が解雇無効と賃金支払いを命じる勝利判決。

 ソニー(宮城) 仙台工場で、「追い出し部屋」が消滅し、順次仕事を提供。遠隔地出向していた労働者が仙台工場に戻る。

9月

 じん肺訴訟(山口) 三菱重工業下関造船所の下請け労働者らに損害賠償の支払い命じる。広島高裁。一審からの逆転勝利判決。

 東和フードサービス(東京) 新入社員だった当時25歳女性の自殺は過労によるうつ病が原因だとして、東京地裁が労災認定。

 大阪市 橋下徹市長による市役所内の労働組合事務所の退去命令について、大阪地裁が違法行為と断罪。

“配転か退職か”応じる必要ない 12月

10月

 トンネルじん肺第4陣訴訟(熊本) 原告30人全員と和解。

 泉南アスベスト訴訟(大阪) 最高裁がアスベスト被害で国の責任を認める初の判断。

 上人(しょうにん)病院(大分) 栄養士2人に懲戒処分を繰り返した上の解雇について、大分地裁が解雇無効とする勝利判決。

 早稲田大学(東京) 非常勤講師を5年上限で雇い止めにする就業規則制定をめぐり、大学による労働基準法違反を刑事告訴した問題で、東京第4検察審査会が、東京地検による不起訴の判断を「不当」と議決。

11月

 暁産業(福井) 当時19歳男性の自殺について、福井地裁が上司のパワーハラスメントを認定。7200万円の支払い命じる。

 サン・チャレンジ(東京) 「ステーキのくいしんぼ」の店長だった当時24歳男性の自殺について、東京地裁が長時間労働とパワーハラスメントが原因と認定し、賠償命じる。

 大阪市 「君が代」起立強制条例をめぐって、市教委の団体交渉拒否は不当労働行為。中央労働委員会が大阪府労働委員会の決定を支持。

 江戸川区立自然動物園(東京) 職場のパワハラを告発した労働組合員2人の配転命令は業務上の必要性がなく違法だと、東京地裁が判決。

 九州建設アスベスト訴訟(福岡) 福岡地裁が国の責任を認め、賠償を命令。

12月

 シナノ出版印刷(長野) 労働組合に加入した労働者に対して、遠隔地配転か、退職か、応じなければ解雇すると迫ったことについて長野地裁が応じる必要はないとする仮処分を決定。

 泉南アスベスト第1陣(大阪) 大阪高裁で原告27人と和解が成立。

 イワキ工業(福岡) 解雇された組合員2人について、団体交渉や和解協議の席につかせ、職場復帰をかちとり、和解が成立。

 大阪市 入れ墨調査を拒否して懲戒処分されたバス運転手について、大阪地裁が処分を取り消し、損害賠償命じる。



社説 持続可能社会/公正・公平を問い直そう

 フランスの経済学者トマ・ピケティ氏の大著「21世紀の資本」が、世界的ベストセラーになっている。この種の本としては極めて異例だ。

 「社会的共通資本」を基礎に置いた経済体制を提唱し、9月に亡くなった経済学の権威、宇沢弘文さんの理論と行動に再び注目が集まっている。

 広く受け入れられる共通した要因がある。資本主義に内在する課題を分析、私たちの社会を豊かに持続性あるものにするための科学的で、人中心の視座が共感を呼ぶのだろう。

 ピケティ氏は欧米中心に日本を含めた20カ国を対象に、1~2世紀に及ぶ膨大なデータを解析。資本の所有者に富が集中するメカニズムを実証した。

 資本から得られる収益率が経済成長率を上回るのが常態で、低成長と経済のグローバル化に伴う資本課税の引き下げにより、国民所得に占める資本の取り分が増えて、格差が開く傾向が強まっていると結論。贈与・相続税の軽減を通じた社会階層の固定化にも警告を発し、国際協調による累進的な「資本税(富裕税)」の導入を提起する。

 つまり、分配問題を経済分析の核心に据えよということだ。

 宇沢さんが唱える社会的共通資本は自然環境や、道路・交通などの社会基盤、教育・医療・福祉・金融などの制度で構成。資本主義体制を安定化させる装置と位置付け、市場原理で支配されてはならないとした。

 市民の豊かな暮らしに向けて正義や公平性にかなう社会を探究。現場を踏まえつつ到達したのが、利潤追求に偏った経済体制を是正する理論だった。

 現実はどうだろう。資産に恵まれた富裕層と庶民の所得格差を放置するどころか、むしろ拡大に手を貸し、社会の安定性、継続性を損なう方向に動いているのではないか。市場原理があらゆる分野に及んでもいる。

 私たちがうすうす感じている二極化の現実を、分厚い著書が歴史的に証明しているからこそ、関心を呼んでいるのだろう。

 安倍晋三首相は国会演説で、格差や貧困に触れることはほとんどない。手掛ける経済政策「アベノミクス」は成果途上で、恩恵が隅々まで及ぶには時間がかかるという。その道は広がった所得を縮めてくれるのか。

 円安誘導による株高、法人税率の引き下げ、贈与税の非課税枠の拡大…。その一方、輸入物価の上昇などで市民は苦境にあえぐ。財政状況が厳しく、生活保護関連費も削減される。

 経済協力開発機構(OECD)の報告書に、所得格差は成長の足かせになるとある。消費や生産性が低迷するからだ。

 国際競争を勝ち抜くためと称する施策も、公正・公平な分配への目配りを欠いては先行き危うい。市民の不満は募り、社会の不安定要因になろう。

 東日本大震災から4度目の冬。震災復興は道半ばで、被災者にいつまで我慢を強いるのか。

 資本主義を基軸に安定した社会をどう維持していくか。思いをめぐらす年の瀬である。

2014年12月31日水曜日 河北新報



バヤリース社員が別れ 最後の出勤日

2014年12月31日 09:20 沖縄タイムス

 【南城】県民に長年愛されている「バヤリースオレンジ」が看板商品の沖縄バヤリース社が31日、解散する。社員最後の出勤日の30日、南城市大里古堅の同社で、「解散うちあげ会」が開かれた。創業42年の歩みを社員らはしんみりと振り返り、譲渡先が商品を生産・販売することに触れた経営者は「商品は生き続ける。バトンタッチへ誇りを持ってほしい」と訴えた。

 会では、バヤリースオレンジを思わせるだいだい色の紙に「42年間頑張りました」と記して壁に掲示。上間長恒社長(72)は「ブランドを守り通し、県民に認知された」と、数度の危機を克服した社員に感謝した。

 前身のアメリカンボトリング社に1960年、入社した安里祥徳会長(84)は、72年の日本復帰による情勢不透明を理由に経営陣が解散を決めた後、社員が出資して会社を再出発させた歴史を説明。社員には「新しい人生を元気よく歩んでほしい」と希望した。


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