自治体財政に巣食う助成金ビジネスを許すな 2件/労働者の二極化では内需が増えるはずもない/世界は誤った方向へと突っ走っている、それは貧困と紛争しか生み出さない、しかし方向修正は可能だ 

コールセンター 全従業員33人 解雇通告 沖縄
正社員増へ 求人7000人 就職2100人目標 労働局対策
二極分化の進む雇用情勢 現状分析と今後の展開を占う
「超格差社会」の矛盾に震えている 「グローバル vs.非グローバル」 先鋭化

全従業員に解雇通告 宜野湾のコールセンター

2015年1月11日 06:54 沖縄タイムス

 宜野湾市にあるコールセンター(本社・東京)で働く従業員33人が、20日付で事務所を閉鎖し、全員解雇すると社長から通知されている。採用時と異なる業務の命令や賃金引き下げなどの一方的な労働条件変更で、昨年10月時点で94人いた従業員は激減。残った人たちで労働組合を結成して会社側と交渉を続ける中、解雇通告で瀬戸際に追い込まれている。組合は県労働委員会に斡旋(あっせん)を申請し、13日に労使交えた初協議が行われる予定だが、歩み寄りの見通しは立たない。(西江昭吾、篠原知恵)

■2年半で30人退職 労組「社員はモノじゃない」

 組合は10日、宜野湾市内で臨時総会を開き、ストライキ権を確立。斡旋が不調に終わり、交渉が決裂した場合は14日にもストを実施する構えだ。

 前田和彦委員長は「社員をモノのように捨てるのはおかしいと声を上げよう。ブラック企業を許すわけにはいかない」と訴えた。(1)一方的な解雇通告の撤回(2)労使合意書を踏まえた解決(3)解雇するなら6カ月分の賃金補償-などを求めている。

 同社の宜野湾事務所は2012年5月に設立。社長は「沖縄への進出は、従業員の低賃金と公的な助成金が目的だ」と社内で公言。35歳未満を雇うと企業がもらえる奨励金、雇用が厳しい地域に適用される奨励金を申請していた。関係者によると、母子家庭の母親への助成金約200万円は受け取っている。

 当初、社員数人とパート約80人を雇っていたが、労働条件の変更や残業代未払いなどが相次ぎ、これまで社員約30人が退職し、パート約450人が入れ替わったという。

 本社側は昨年10月上旬、パートの大幅削減を打診したため、従業員らは組合を結成し、交渉を重ねた。10月末には社名が変更され、社長も交代。11月に新体制と協議し、従業員の雇用継続や話し合いでの問題解決を盛り込んだ労使合意書を結んだ。

 だが、12月17日付で解雇通知書を社長名で発出。本社を含めて法人自体も「倒産手続きで清算する方向で進める」と示した。理由は「収益が改善できず、資金繰りの見通しが立たない」と説明している。



正社員増へ労働局対策 求人7000人・就職2100人目標

2015年1月11日 琉球新報

 沖縄労働局は県などと連携し、1~3月を「正社員就職実現キャンペーン」期間と位置付け、3カ月間で県内の正社員求人を7千人分以上確保し、正社員就職2100人以上の達成を目指す取り組みを展開する。非正規労働者の割合が全国一高く、雇用のミスマッチも際立っている沖縄の雇用情勢を改善する契機としたい考えだ。

 2014年1~3月の正社員求人は約6600人、正社員就職は約1900人。4~11月の県内5カ所のハローワーク(公共職業安定所)における就職は1万5910件で、うち正社員は約33%の5276人にとどまる。

 労働局は正社員求人の確保策として今月5日から、ハローワーク窓口で非正規雇用求人の提出を予定している事業主に対し、正社員求人の方が充足率が高いなどの利点を示し、正社員求人を検討するよう促している。今後は労働局幹部が業界団体や企業を訪問し、正社員雇用の利点のほか関連助成金などについて周知する。講習会も開く。正社員就職の支援策として、人手不足が顕著な業種で就職面接会を開く。

 一方、県は正社員化する企業を支援するモデル事業を通し、3月までに10社で計30人の正社員化を目指す。

 県内で非正規雇用が多いことに関し、沖縄労働局は「サービス業が多いという産業構造などが影響しているが、中長期的に見て正社員で雇用することのメリットは大きい。骨太の企業経営を求めていきたい」(国代尚章職業安定部長)と強調している。



二極分化の進む雇用情勢 現状分析と今後の展開を占う

2015年1月11日 22:00 財経新聞

記事提供元:エコノミックニュース

 2014年の日本経済は日経平均株価が一時18000円を捉え、業績面でも過去最高益を更新する企業が続出するなど大企業を中心に力強い回復を見せた。しかし、その一方で国内の消費・需要動向は弱く7~9月期のGDP(国内総生産)も前期比0.5%減、年率換算で1.9%減と、グローバルに展開する大企業と日本国内の間で経済の二極分化が進行している様子が伺える。

 この二極分化は実は雇用の分野でも顕著となっている。昨年12月に総務省が発表した11月の「労働力調査」の結果によると完全失業率は3.5%で前月から変化は無く、就業者数は6,371万人で前年同月比で同値となった。一見すると雇用情勢には特に変化は起きていないようにも感じるが、正規雇用と非正規雇用という雇用形態別の観点で見てみると、正規雇用は3,281万人で前年同月比で29万人減少する一方、非正規雇用は前年同月比で48万人増加し2,012万人となっている。正規雇用者と比べ非正規雇用者は将来の生活に対して不安を感じている人が多く、この事が内需の活性化を阻む大きな枷となっているのは間違いなさそうだ。

 雇用の不安定化については厚生労働省発表の「一般職業紹介状況」を見ても明らかだ。ハローワークにおける求人や求職、就職に関する状況を取りまとめた同資料によると、11月の有効求人倍率は1.12と売り手市場の基準である1.0を上回ってはいるものの、正社員に限るとこの値は0.69にまで低下する。景気が比較的良好な東京等の大都市圏でも1.0あるかどうかといったレベルで、地方に目を移せばかなり厳しい現状であることに疑問を挟む余地は無い。

 また、職種ごとのミスマッチも大きな問題となっており、宿泊・飲食サービス業や、医療・福祉では求人が増えているのに対し、情報通信業や学術研究・専門・技術サービス業では大きく減少するなど、労働市場の偏りによって単純に求人倍率だけでは測れない複雑な状況となっている。

 今年は労働者派遣業に関する法改正が実施される公算が大きく、派遣期間の上限を迎えた労働者が希望した場合、派遣元事業主は新たな就業機会を労働者に提供する義務が課せられるようになる。しかし、雇用の安定を決定付けるほどの影響力は期待出来ないため、政権には更なる雇用対策を緊急に取りまとめてもらいたいところだ。

 現在、平均賃金自体は上昇傾向にあるものの、それ以上に物価の上昇や消費増税の影響が大きく、実質的な所得はマイナスになっている。今後は有効求人倍率だけでなく、正社員の求人状況や実質的な賃金の動向にも注意を向ける必要があるだろう。(編集担当:武田薩樹)



世界は、「超格差社会」の矛盾に震えている
「グローバル vs.非グローバル」が先鋭化


イアン・ブルマ :米バード大学教授/ジャーナリスト

2015年01月11日 東洋経済

移民、銀行の幹部、イスラム教徒、「リベラルなエリート」など、何となく自分たちとは異質だと思う人への不満や憤りが世界中で増幅しつつある。

米国では、オバマ大統領が、長期滞在をして働く不法移民に市民権取得のチャンスを与えたが、政策を非難するティーパーティ一派に後押しされた共和党が、政府機関を閉鎖すると脅している。英国ではUKIP(英国独立党)が、移民の永住許可を5年間凍結せよと主張する。ロシアではロゴージン副首相が、移民労働者(大部分は旧ソビエト連邦内の共和国出身)を一掃する、と約束した。

移民は「災いの種」?

寛容さで知られるオランダやデンマークでさえ、移民を災いの種だと声高に非難する政党への支持が増えつつある。シンガポールは国民のほぼすべてが移民の子孫だが、極小野党が人々の移民への不満をかき立てて勢いを得ている。

経済状況が厳しくなる中、自分の仕事を守るのは、誰にとっても重大だ。しかし、地方在住でティーパーティを支持する中年白人の米国人が、メキシコからやってきた貧しい移民のせいで生活を脅かされることは、ほとんどない。

移民排斥感情は、右派か左派かという従来からの壁を超え広がっている。ティーパーティやUKIPの支持者と、低賃金の外国人に仕事を奪われると心底恐れている労働者には、共通点がある。それは、移動性が高まり、超国家的な組織が出現し、グローバルにネットワーク化する世界で、自分は置き去りにされるのではないか、という不安だ。

右派の側では、保守政党への支持が、移民や超国家的な組織が好都合なビジネス界と、これらを脅威だと感じる人々とに分裂している。だからこそ英国の保守党は、UKIPを非常に恐れている。

左派の側では、人種差別や不寛容に反対する人たちと、英国生まれの労働者階級の雇用を守り「連帯」を維持しようとする人たちとで、意見が割れている。

民族、宗教、文化的なアイデンティティに、変化が生じつつある。しかしそれは移民が原因というより、グローバル化した資本主義の発展が主因である。

新たなグローバル経済においては、勝ち組と負け組がはっきりしている。高学歴の男女は、多様な国際的状況でうまくコミュニケーションを取ることができ、利益を手にしている。その一方で、必要な教育や経験に恵まれない人たちが苦労しているが、こちらが多数を占める。

新たな階級区分は貧富の違いで決まるのではない。大都市の高学歴エリートと、教育レベルが低く、柔軟性に乏しく、あらゆる点でグローバル化から取り残されている地方在住者との違いにより、階級が隔てられる。そして、疎外感を抱く人たちが、怨嗟を共有している。

米国の国民は、あまり遠くない将来、白人が少数派に転落するとわかっているのだ。現時点でティーパーティらにできるのは、「祖国を取り戻そう!」と叫ぶことくらいだ。もちろんこれは無理な要求だ。人々は多様化する社会に生きることに慣れるしか選択肢はない。

経済のグローバル化は後戻りできない

経済のグローバル化も後戻りできない。ただ規制は活用すべきだ。文化、教育、雇用を、市場の力による創造的破壊に全面的に委ねることはすべきでない。

英国労働党の影の内閣のマクファデン欧州担当相は、グローバル化が引き起こす諸問題を解決するための核心を正確に指摘している。人々にグローバル化した世界の「恩恵を受ける手段」を与え、「グローバル化した世界が人々に役立つ」ようにする、という処方箋だ。

しかし、この指摘は、教育程度が高くすでに特権を持つ人々の心には響くが、グローバル経済に疎外感を抱いている人々の共感は呼びそうにない。

これは深刻な問題だ。左派政党は、大都市のエリートを代弁する傾向を強めている。地方のポピュリズム派は大衆の憤りをかき立て、伝統的な保守主義者をさらに右側へと押しやっている。


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