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労働規制緩和で労働が強化されれば健康不安と家疲労で少子化は避けれれない/職場での思想調査を強行する橋下、とても司法試験に合格した者とは思えない/ほか 

「残業代ゼロ」 少子化に拍車
憲法違反 橋下市長 「思想調査」 裁判結審 原告陳述 大阪地裁
労働災害発生状況(1月) 厚労省

「残業代ゼロ」は少子化に拍車

文 保坂展人

2015年1月20日 朝日新聞デジタル

 「残業代ゼロ」の波紋が広がっています。

 安倍政権の成長戦略の「目玉」として、また労働者保護のための「岩盤規制」を打破する改革メッセージとして、経済界の期待のもとに打ち出されたのが「ホワイトカラーエグゼンプション」とも呼ばれる「残業代ゼロ」制度の新設です。1月16日に厚生労働省が発表した骨子案は、「年収1075万円以上」を対象に残業代を支払わないというものです。この制度をめぐって、私はこんなツイートをしました。

<少子化と人口減少の原因は、あまりに安い劣悪な雇用環境が労働市場の規制緩和で広がったことと、有給もとらずに長時間サービス残業も一般化していることにある。残業代ゼロは決定打となる>(2015年1月17日)

 昨年の人口減少は26万8千人に及び、2009年から始まった減少人口の累計は112万人になりました。一方で、出生数も下がり続けて100万人の大台を割る直前まで近づいてきました。安倍政権も「人口減少」に危機感を持って「地方創生」や「女性活躍」などを看板にしようとしているのだと思います。

 私が注目するのは、「団塊の世代」の子どもたちである「団塊ジュニア」(1970年代前半生まれ)の世代です。この世代が20代後半から30代前半になる間に出生数は上昇しませんでした。妊娠・出産の可能な世代が人口としては増えたにもかかわらず、子どもの数が増えなかったのはなぜでしょう。

 この時期は、労働市場の規制緩和による不安定雇用が増え、賃金は下がり続け、「ワーキングプア」と呼ばれる「新たな貧困」が社会問題化した時期にあたります。

 90年代後半から「派遣労働」などの非正規雇用が激増しました。2008年のリーマンショックでは、「派遣切り」にあって解雇され、会社の寮を追い出されて行き場を失った人たち日比谷公園の「年越し派遣村」に集まりました。そのなかには、中高年の労働者だけでなく若年層も目立ちました。

 派遣の工場労働者は、会社にあてがわれた寮の家賃や光熱費を給料から天引きされて、日々の食費や最低限の買い物をすると、ほとんど残金がありません。「結婚」「子育て」は、彼らにとってたどりつくことが難しい別世界の話となったのです。

 また、正社員であっても、「就職氷河期」に労働条件は厳しくなり、サービス残業や長時間労働はあたり前のブラック企業が増えています。苛酷(かこく)な労働条件の中で起きる「過労死」や「精神疾患」も高止まりを続けています。

 人口減少と少子化の進行は、「非正規雇用による格差社会」と「ブラック企業の増加と長時間労働の常態化」に原因がある、と私は考えています。したがって、出産や子育てがしやすい社会にするためには、「格差解消」と「人権を尊重される労働条件の回復」を徹底する以外にありません。しかし、これから始まる国会で審議される「労働者派遣法」改正は、すでに2千万人を数える非正規雇用を拡大して、格差をさらに広げていくことにつながる懸念があります。

 そうした状況で打ち出された「残業代ゼロ」は、成果主義の名のもとに賃金カットと長時間労働を固定化することにつながり、さらに出生数を押し下げる恐れがあります。いま、目指すべきは「残業代ゼロ」ではなく、「残業ゼロ」の労働環境ではないでしょうか。

 今回の「残業代ゼロ」は、収入1075万円以上が対象だから、一般への影響は少ないと考えている人もいるようですが、間違っています。永田町や霞が関には「小さく産んで大きく育てる」という言葉があります。国民の反発の強い法案や制度を導入する時に、まずは抵抗の小さいところから道を開き、次第にその対象を広げていくという意味です。「残業代ゼロ」もまた、対象が年収800万円、600万円、400万円と次第に下げられていくことは十分に想定できるところです。

 私が格差解消のために必要だと考えるのは、まず「非正規労働」の低すぎる賃金を底上げすることですが、目先の利益しか考えない経済界にとっては、「正社員の賃金を非正規社員に近づける」ということになるようです。こうした考えはブラック企業の合法化にもつながり、社会は荒廃していくでしょう。

 しかも、政府と日銀が一体となって「物価上昇」を仕掛けている時期です。消費税のアップで消費は冷え込んだまま、回復していません。非正規労働者の格差解消と賃金の底上げこそ必要です。

 経済界言いなりの「残業代ゼロ」制度は、「少子化」にさらに拍車をかけることにつながらないのか。まもなく始まる国会の議論を見守りたいと思います。



2015年1月20日(火) しんぶん赤旗

橋下市長は憲法違反
「思想調査」裁判結審 原告が陳述
大阪地裁


 橋下徹大阪市長による市職員への憲法違反の「思想調査アンケート」(市職員への労使関係アンケート調査)で「精神的苦痛をうけた」として、職員59人が市に損害賠償を求めた裁判が19日、大阪地裁で結審しました。判決は3月30日。

 同アンケートは2012年2月、橋下市長の業務命令として全職員に実施。労働組合への参加や、街頭演説を含む特定の政治家を応援する活動への参加、それらを誘った人の名前まで回答を求めるものです。

 結審では原告団長の永谷孝代さんが最終陳述し、多くの原告が、回答しなければ懲戒免職を含む重大な処分もあり得ると思い、その上で、憲法を守るべき自治体労働者が憲法違反でも回答すべきかと葛藤し、悩み苦しんだと強調。アンケート実施後、多くの職員が心を閉ざし物が言えない職場になったとし、「業務命令と処分で職員を牛耳り、民主主義や働きがいを奪っていったアンケートが憲法違反であることを公正に認めていただきたい」と訴えました。

 同アンケートをめぐっては昨年6月、中央労働委員会が不当労働行為と認定する命令を出しました。橋下市長が同7月、中労委命令の取り消しを求める提訴議案を市議会に提出しましたが、野党4会派などが否決。中労委命令が確定しています。



労働災害発生状況(1月) 厚労省
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/index.html


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