改革という名の改悪で労働時間や雇用概念を根底から覆し人権をも揺るがしかねない時代に逆行する悪法を安倍政権につくらせてはならない 3件/タクシー業界の慣行は労働基準法37条の趣旨に反し、かつ『公序良俗違反』である/運転手の著しい労働時間超過は荷主にも責任がある/公務員も残業だらけでは示しがつかない、労働時間制限は監督行政官庁として当然の振る舞い/労基法違反8割や働かせ過ぎ件数は氷山の一角、それを安倍が合法化しようとしている 

労働基準法改悪 安倍政権が、ただ働き過労死増やす
社説 雇用「改悪」国会 許されぬ保護ルールの大転換
有期雇用 年収1075万円以上 期間上限緩和10年 正式提示 厚労省
国際自動車 タクシー運転手 「残業代ゼロ」は無効 支払い命じる 東京地裁
ほくうん 乗務・勤務時間基準著しく超過 事業停止命令 元請にも警告書 運輸局
厚労省 22時以降の残業禁止
違法残業 「過労死労災請求」 事業所4561半数の2304で

2015年1月28日(水) しんぶん赤旗

安倍政権が狙う労働基準法改悪
ただ働き 過労死増やす


 安倍政権は、開会中の通常国会に、労働時間制度を根本から変え、過労死を促進する「残業代ゼロ」制度の導入などを盛り込んだ労働基準法改悪案を提出する構えです。現在、労働政策審議会に厚生労働省による報告書骨子案が示され、検討が続いています。骨子案に盛り込まれている制度の問題を検証します。(昆弘見、深山直人、行沢寛史)

残業代ゼロ制度
労働時間規制をはずす

 骨子案の最大の問題点は、「高度プロフェッショナル労働制」の名で「残業代ゼロ」制度の導入を提起していることです。

 時間外労働や深夜・休日労働に対する割増賃金の支払い義務や労働時間の管理義務がなくなります。ただ働きを増やし、過労死を促進する大改悪です。

 対象は、「高度の専門的知識を要する」業務と「時間と成果との関連性が強くない」業務として金融ディーラーなどを例にあげ、省令で定めるとしています。年収は1075万円以上としますが、省令で定めるため変更が容易です。経団連はこれまで400万円以上とするよう求めていました。

 長時間労働防止措置として、(1)次の勤務まで「一定の時間以上の休息」(2)1カ月の在社時間と事業場外労働時間の合計(健康管理時間)が「一定の時間」を超えないようにする(3)4週4日以上、年104日以上の休日―のうち、どれかを選択するとしています。

 しかし、年104日以上の休日といっても、労働時間規制を外して24時間働かせることが可能になれば、長時間労働の防止にはまったくつながりません。

 医師の面接指導を強調していますが、残業時間が月100時間を超えた場合としており、過労死基準の80時間を超える残業を容認する姿勢です。

 「時間ではなく成果で評価される働き方を希望する労働者のニーズに応える」というのが導入の理由ですが、すでに大企業などで成果・評価主義賃金といった「成果で評価される働き方」は導入されており、労働基準法を変えなければならない理由はありません。厚労省も経団連も審議会で認めています。

 労働時間規制を外すのは、労働者を際限なく働かせるのがねらいです。

「働き過ぎ防止」
健康確保に実効性なし

 骨子案には、「働き過ぎ防止のための法制度の整備等」が盛り込まれました。一部に長時間労働抑制につながる提案があるものの、全体として実効性は確保されないものです。

 現行の労働基準法では、月60時間を超えて残業をさせた場合の割増賃金率は5割以上です。これまで適用を先延ばしされていた中小企業にも適用するよう提案しています。年次有給休暇の取得促進のために、時季指定を企業に義務付けるとしています。

 しかし、全体として「働き過ぎ防止」の実効性がきわめて乏しいものばかりです。

 残業の削減にむけた労使の取り組みで「1カ月に100時間」または「2カ月ないし6カ月にわたって、1カ月当たり80時間」を超える残業をした場合、適切な健康確保措置をとり、延長時間の縮減に取り組むことが望ましいとしています。厚労省の過労死基準は残業月80時間です。この時間を超えてから取り組むのでは遅すぎます。

 労働時間改善の取り組みを「労使の自主的取組」に委ねていることも問題です。労働基準法で労働時間の上限を盛り込むなど法的規制の強化こそ求められています。

裁量労働制拡大
財界の要求を丸のみに

 骨子案は、裁量労働制とフレックスタイム制の見直しを打ち出しています。長時間労働を促進するきわめてひどい内容です。

 裁量労働制は、自分の裁量で仕事をする労働者の労働時間について、労使があらかじめ合意した時間だけ働いたとみなす制度です。労使協定が8時間であれば、それ以上働いても残業代が出ません。

 専門業務型と企画業務型の二つのタイプがあります。このうち企画、立案、調査、分析の4業務を対象にしている企画業務型について、新たに「営業」と「管理」を加えます。製造と庶務経理などを除いて相当数の業務に導入できるようになります。

 厚労省指針で営業は企画業務型に「該当しない」業務に例示されています(厚労省告示353号)。経団連は「提案型の営業もある」などといって、導入要件の大幅緩和を要求していました。

 さらに事業場ごとの労使委員会設置と労働基準監督署への届け出義務を本社一括に改めるなどの要件緩和が盛り込まれています。財界の要請を丸ごと受け入れた内容です。

 フレックスタイム制は、1カ月の労働時間(清算期間という)が平均して1日8時間、週40時間を超えない範囲で、1日、週の労働時間を延長できるものです。これを清算期間の上限を3カ月に延長します。残業代不払いの労働時間を増やそうというねらいです。



社説 雇用「改悪」国会 許されぬ保護ルールの大転換

2015年01月28日(水)愛媛新聞

 安倍晋三首相は今通常国会を「改革断行国会」と位置づけた。しかし、改革と称すれば何でも歓迎できるわけではない。中でも目玉とされる雇用・労働分野の規制緩和は、到底容認できない。

 今国会には労働基準法改正案と、本来臨時的な派遣労働を、人さえ入れ替えれば企業が使い続けられるようにする労働者派遣法改正案の提出が予定される。ともに過去2度頓挫した、いわくつきの案。「世界一企業が活動しやすい国」を目指す首相の、肝いり政策といっていい。

 安倍政権の雇用改革は、労働者保護ルールを大転換し、働き方を劣悪、不安定な方向にゆがめる「改悪」に他ならない。野党や労働組合の度重なる反発を無視し、三たび労働者の人権をゆるがせにしようとする強硬な姿勢に、あらためて強く反対する。

 労働基準法改正の柱は、労働時間ではなく成果で賃金を決める新制度の導入。その名も、昨年までの「ホワイトカラー・エグゼンプション」から「高度プロフェッショナル労働制」に改称された。だが本質は何も変わっていない。

 会社が決める「成果」を達成できなければ、いくら働いても残業代も割増賃金も支払われない新制度は、どう見ても使用者側のコスト削減のメリットしかない。労働生産性を上げるなら、既存の裁量労働制の援用で十分可能。結局は、残業時間ではなく残業代を削りたいだけで、長時間労働の抑制どころか際限なき助長につながりかねない。

 対象は年収1075万円以上、職務範囲が明確な専門職に限るとした。当初案より限定的だが、国の分科会では既に使用者側委員が拡大を声高に求めている。ひとたび導入を許せば改定はたやすく、歯止めになる保証は何もない。

 実際、現行の裁量労働の対象のうち事務系の「企画業務型」に「提案型営業」を加える検討も進む。ノルマが絡む営業職にまで広がれば労働者は一層追い込まれよう。「弱い者いじめと言われかねない法案」(厚生労働省幹部)はやはり廃案しかあるまい。

 もちろん長時間労働の是正自体は喫緊の課題。改革や対策は必要だが、政権の進める方向性とは逆で、環境整備や「働かせ方」の見直しこそ先決である。多様な働き方も、労働側が選べてこそ。非正規と正規の「同一労働・同一賃金」導入も急がれるが、正社員の働き方を見直すことなく非正規に合わせる待遇切り下げに終わらぬよう望みたい。

 そもそも労働者を単にコストとみて、人件費を削るための規制緩和が「成長戦略の目玉」になるような社会は、どこかおかしい。今国会は、安心して働き続けられる社会を守れるかどうかの正念場。決して根負けしてはならない。



年収1075万円以上、有期雇用10年を正式提示 厚労省

2015/1/28 19:39 日本経済新聞

 厚生労働省は28日、年収1075万円以上の専門職に対して、有期雇用の上限を5年から10年に延ばす案を正式に示した。東京五輪のようなイベントや大規模なインフラ整備といった長期の事業で働きやすくなる。厚労省は時間ではなく成果に対して賃金を払う新たな制度の対象も年収1075万円以上とする方針で、水準を合わせる。

 昨年の臨時国会で、高収入の専門職に最長10年の有期雇用を認める有期雇用労働者特別措置法が成立した。1月28日の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の特別部会で対象者を示す省令案を示し、了承を得た。4月1日に施行する。

 年収基準の1075万円は民間の課長級技術職で上位25%の水準にあたる。この年収を上回ったうえで、弁護士や税理士、公認会計士、1級建築士といった資格を持つか、デザイナーなどの職種で一定の実務経験を持つことが条件となる。

 契約・パート・派遣社員といった有期雇用の労働者は1400万人あまりで、雇用者全体の4分の1を占める。このうち年収1000万円以上の割合は約2%だ。高年収の専門職のなかには複数の職場を渡り歩いてキャリアを積む人も多い。期間の上限を緩めて働き方の幅を広げる。



2015年01月28日 21時19分

タクシー運転手「残業代ゼロ」は無効 国際自動車に「未払賃金」の支払い命じる判決

東京の大手タクシー会社・国際自動車に勤務する運転手14人が、給料から残業代にあたる金額が差し引かれているのは不当だとして「未払賃金」の支払いを求めた裁判で、東京地裁は1月28日、国際自動車に計1457万円の支払いを命じる判決を下した。

判決後の記者会見で、原告代理人の指宿昭一弁護士は「国際自動車は、タクシー業界の中でも非常に大手。そのような会社に対して、残業代ゼロを無効とする画期的な判決が東京地裁から出たことは、同業他社に大きな影響を与えるだろう」と、判決の意義を語った。

●給料から残業代を差し引くのは「公序良俗違反」

原告の運転手たちは2012年5月、毎月の給料から残業代(時間外手当・深夜手当・休日手当)や通勤費に相当する金額が引かれているのは労働基準法に違反するとして、国際自動車を相手取って、東京地裁に提訴した。

同社の賃金規則では、運転手に、基本給のほかにタクシーの売上に応じた「歩合給」が支払われることになっていた。しかし、その歩合給から残業代や通勤費に相当する金額を差し引くという規定があり、実質的に残業代が支払われない状態になっていた。

この規定について、国際自動車は「時間外労働をすれば売上が上がって賃金総額も増加するから、労働基準法の趣旨に反するとはいえない」「同様の賃金制度はタクシー業界で一般的に採用されている」などと主張した。

しかし、東京地裁の佐々木宗啓裁判長は「売上が同じ場合、残業をした運転手とそうでない運転手の賃金が全く同じになる」と指摘。歩合給から残業代に相当する金額を差し引くという規定は「(残業代の支払いを使用者に義務づけた)労働基準法37条の趣旨に反し、公序良俗に反して無効」と判断した。

そして、原告14人に本来支払われるべきだった「残業代」に相当する計1457万円の支払いを、国際自動車に命じた。ただ、原告がほかに求めていた通勤費相当額の請求は認めなかった。

●「タクシー業界に大きな影響を与えるだろう」

判決後に厚労省で開かれた記者会見で、指宿弁護士は次のように語った。

「形の上では残業代を支払っていると見せかけながら、実際には支払っておらず、いくら働いても実質的に賃金が変わらない歩合制は、タクシー業界で広く行われている。

業界の慣行に対して、裁判所が今回、明確に『公序良俗違反』と言ってくれた点については、敬意を表したい。裁判所がダメと判断したことで、同じような賃金体系をとっていた会社は、給与の支払い方を変えざるを得なくなる。業界に大きな影響を与えるだろう」

一方、国際自動車は「賃金規則における歩合給の計算方法が一部無効とされた点に不服があるので、本日、控訴した」というコメントを発表した。

【追記】初出時、原告が語った内容として記載していた部分は、原告の発言ではありませんでした。発言部分を削除して訂正いたします。関係者ならびに読者のみなさまにお詫び申し上げます。(1月29日12時30分)

(弁護士ドットコムニュース)



ほくうん(北海道)に事業停止命令、元請責任も認定

2015年1月28日 (水) Logistics Today

行政・団体北海道運輸局は28日、札幌市東区の運送会社「ほくうん」が運転者の乗務・勤務時間基準を著しく超過していたとして、昨年1月の行政処分基準の強化以降、乗務時間基準違反を理由とする行政処分で初めて、同社の本社営業所に対して30日間の事業停止を命じた。さらに、元請運送事業者の関与も認め、荷主勧告制度に規定する警告書を発した。基準強化以後、同制度に基づいて警告書を出したのは全国で初めて。

同運輸局は、北海道労働局から労働基準法違反があったとの通報を受け、昨年8月26日から3回にわたってほくうんの本社営業所に一般監査を実施。運転者の勤務時間について、国土交通省では厚生労働省の改善告示と同じ内容を基準として告示しているが、同社所属の運転者のうち3人以上が月間31件以上もの著しい違反をとなっていたことが判明し、ほかの運転者も過半数が乗務時間基準に違反していた。

監査には、特に悪質であったり社会的な影響の大きな端緒の場合に実施する特別監査と、それ以外の一般監査があり、今回は一般監査として臨店を行った。北海道運輸局によると、「当初はこれほど(ひどい状況)だとは思わなかったが、フタを開けてみると大変な違反状態だった」という。このため、運輸支局ではなく同運輸局が直接監査に臨み、乗務時間基準違反など12項目にわたる違反を確認、本社営業所の事業停止30日間と車両の使用停止延べ30日間の処分に至った。

また、元請け運送会社についても「一定の関与があった」と初認定したが、関与の程度を勘案して社名公表を伴う「勧告」処分ではなく、警告書を発した。ほくうんは苫小牧営業所でも昨年9月9日付けで乗務時間基準の順守違反など2件の違反が認定され、延べ30日間の車両停止処分を受けており、今回の処分と合わせて累積違反点数は36点となった。



「長時間労働ダメ」って自分もやってるじゃん そんな批判はもう言わせん!厚労省が22時以降の残業禁止

2015/1/28 17:03 J-CASTニュース

厚生労働省は、職員の22時以降の残業を2015年10月から原則禁止する。日本経済新聞が1月28日、報じた。ただし、国会への対応などで深夜まで働いた場合は翌朝の始業までに10時間空けることとする。また、幹部の人事評価にも部下の労働時間の状況を反映する。

厚労省は、国会質疑の準備などで夜遅くまで残業するケースが多く、中央官庁のなかでも最も残業が多いとされる。その一方で、民間企業の長時間労働を取り締まる立場にあるため、「残業禁止」で範を示す。

なお、厚労省は1月27日、民間企業に対して1月から月100時間超の残業を行う企業を対象に監督や指導を強化することを決めた。労使協定がないのに長時間労働をさせている企業に勧告書を送り、是正しない場合は書類送検して企業名を公表する。



違法残業:「過労死労災請求」半数の2304事業所で

毎日新聞 2015年01月28日 10時22分(最終更新 01月28日 10時43分)

 長時間労働が原因とみられる過労死の労災請求があった事業所の半数で、違法な時間外労働(残業)があったことが27日、厚生労働省の調べで分かった。

 厚労省は昨年11月、これまでに過労死、過労自殺の労災申請があった事業所や若者の離職率が高い事業所など計4561事業所に重点監督を実施した。その結果、半数を超える2304事業所で違法残業があった。このうち、過労死の危険性が指摘される月100時間超の残業をさせていた事業所は715、150時間超が153、200時間超が35あった。

 指導を受けた旅館では、過労死ラインの2.7倍の月270時間の残業をさせながら、45時間分の残業代しか支払っていなかった。

 違法残業も含め、何らかの労働基準関係法令違反が認められたのは3811事業所と8割を超えた。【東海林智】


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