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安全に勝るものなし、不安全なエネルギー供給は誰も必要としない 2件 

社説 電源構成の議論 安全の確保が出発点だ
社説 発送電分離 大胆な改革へかじを切れ

社説:電源構成の議論 安全の確保が出発点だ

毎日新聞 2015年02月07日 02時33分

 政府が、2030年時点での「最適な電源構成(エネルギーミックス)」について検討を始めた。全発電量に占める原子力や再生可能エネルギーなどの割合について目標を設ける。

 数値目標を定めるのは東京電力福島第1原発の事故後、初めて。原発への依存度が最大の焦点になる。事故の教訓を踏まえ、将来世代にも責任を持てる構成を目指してほしい。

 電源構成は年末の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に向けた温室効果ガス削減目標の前提になる。政府は経済産業省の有識者会議の議論を踏まえ、6月の主要7カ国首脳会議(G7サミット)までに決める考えだ。

 政府は昨年4月に閣議決定したエネルギー基本計画で原発について、事故前に約3割だった依存度を「可能な限り低減する」とする一方、「重要なベースロード電源」と位置づけた。これでは電力会社や参入業者は、中長期的にどんな発電設備に投資すべきか決められない。

 電源構成の検討に当たって政府は経済性や環境性、供給安定性、安全性を追求するという。実際、電気料金は燃料費のかさむ火力が発電量の9割を占めているため、原発事故前より2〜3割上がった。国内の二酸化炭素(CO2)の排出量は過去最大を更新し、先進国で最低水準のエネルギー自給率は一段と下がった。

 いずれもないがしろにできない問題だ。しかし、肝心なのは安全性の確保である。そこを議論の出発点にしてほしい。「安全神話」が崩壊した原発への依存はできるだけ早くやめる必要がある。

 ところが政府は、原発依存度を15〜25%に設定する考えらしい。経産省では、国際的に高い評価を得られるCO2削減目標を掲げるためには原発依存度を2割以上にする必要があるという意見も出ている。

 原発運転を40年に制限するルールを守ると30年時点での依存度は15%程度になる。それ以上に増やすには運転期間延長や原発建て替えが必要で、脱原発に逆行することになる。そうならないために、省エネや再生エネの検討を優先すべきだ。

 省エネで電力需要を減らせば、CO2排出など発電に伴う問題は、その分だけ解消される。産業界での一段の省エネに加え、LED照明への切り替えや高効率家電の導入、住宅の断熱性向上などを家庭に促す政策支援も必要になるだろう。

 発電コストが高く、発電量が不安定な再生エネも技術開発や送電網の運用改善などで拡大の余地は広がるはずだ。まず原発ありきでは、事故を踏まえた課題を克服するための議論にならない。



<社説>発送電分離 大胆な改革へかじを切れ

2015年2月7日 琉球新報

 先送りや不徹底は改革を空回りさせ、無効にするための常套(じょうとう)手段だ。電力改革をそのような空疎な軌道に乗せてはならない。

 政府、与党は電力改革の「発送電分離」を2020年とする方向で検討に入った。実施時期は従来、「18~20年をめど」としていた。その中で最も遅い時期にするというわけである。後ろ向きな態度は許されない。大胆な改革へかじを切るべきだ。

 日本は電力会社が地域ごとに発電と送電を独占しているが、そんな寡占体制は先進国ではまれだ。近年、小型発電所の性能は向上し、新規参入は容易になった。だが日本では発送電が未分離のため、新規参入者も既存電力会社の送電網を使わざるを得ない。その使用料が高額で、新規組の競争力を奪っていると指摘される。

 日本の電気料金は総括原価方式だ。経費に利益を上乗せした料金に、国がお墨付きを与える形だ。その経費も電力会社の言い値に近い。電力業界は巨額の政治資金を一部の政党や政治家に提供している。いわば政官業一体で既得権益を守る構造だ。この構造に風穴を開ければ料金低下も期待できる。消費者の利益にかなうはずである。

 例えば1990年に国営電力会社を分割民営化した英国では、5年で電気料金が実質11%低下したとされる。改革は必然であろう。

 電力業界は、電力自由化は安定供給に支障があると主張し、その例として米国カリフォルニア州の01年の大停電を挙げる。だがこのとき、電力小売価格には規制が残っていた。そのために小売業者が破綻したのが停電の原因だ。経産省の資料は、逆に「中途半端な自由化」が停電をもたらしたと総括する。それなら改革はやはり大胆に断行すべきではないか。

 その発送電分離を遅らせるのも問題だが、その方式も問題だ。分離には電力グループ内で送配電網を分社化する「法的分離」、運用を別組織に委ねる「機能分離」、電力会社から完全に切り離す「所有分離」があるが、日本は「法的分離」を採用するという。だがこれでは、配電網の利用料などで電力グループによる恣意的な運用の可能性を排除できない。新規組に公正な競争環境を整備したとは到底言えない。

 こんな微温的な「改革」は改革の名に値しない。既得権益の「電力ムラ」の解体なくして、未来のエネルギー政策はあり得ない。


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