労働者に正規・非正規の区別なし、雇用側の身勝手な差別に惑わされず、一丸となって団結し闘おう 

非正規労働者は公務現場でも労働組合員になろう

非正規労働者は公務現場でも労働組合員になろう

伊藤彰信

 「公務現場での混合組合を考える」をテーマに労運研の第3回研究会が、4月12日、東京で開かれた。問題提起は、3月31日に混合組合の団交権を認める最高裁判断を勝ち取った大阪教育合同労組の山下恒夫さん。25名が参加した。

 山下さんは、日教組が女性教員の産休代替の臨時講師を要求して成果を上げてきたことを評価しながらも、臨時講師の労働条件改善にはあまり積極的ではなかったと批判した。臨時講師が加入できる労働組合として混合組合(地公法適用労働者と労組法適用労働者が加入する組合)として大阪教育合同を1989年結成した。公立学校のすべてのタイプの労働者(ALT、非常勤講師・職員、障害児介護員、給食パート)だけでなく、私学、大学、予備校、塾の労働者も組織するようになった。

 1992年の一時金闘争で不誠実団交の救済申立を行ったが、大阪地労委は救済申立適格を否認した。2002年、中労委はアシスタント英語教師の解雇事件で救済申立適格を認めてから流れが変わった。しかし、2010年、橋本知事体制で団交を拒否したので、10件の労働委員会申立を闘ってきた。そして、最高裁が、大阪教育合同を組合員に適用される法律の区分に従い、職員団体及び労働組合としての複合的な性格を持つ組織として認め、労組法に基づく団体交渉、地公法に基づく交渉の主体であることを認めた。

 裁判所の判断には次のような重要なものがある。「地公法58条は、一般職の地方公務員が労組法3条の労働者であることを前提として、その従事する職務の特殊性から、労働基本権について合理的な範囲で制限をし、他方で、それに応じた範囲内で労働基本権の保護を規定し、その限りにおける労組法の適用排除を規定しているにすぎないと解される」(東京高裁)という判断によれば、第3セクターに出向している公務員に労組法が適用されることになる。

 また「地公法55条2項は、地公法適用組合員に関する事項について団体協約締結の権限がないことを規定したにとどまるから、混合組合との間で労組法適用組合員に関する事項について労働協約を締結することが同項に違反すると解することはできない」(大阪高裁)という判断している。労働協約を締結することによって、当局が一方的に条件変更を行うことができなくなる。雇用継続問題が団交事項であることになる。司法判断を受けて大阪府は「団体交渉を常勤と非常勤を切り離して行うことはできない」との見解に立っているという。

 討論では、登録職員団体との関係が議論になった。登録職員団体とは、公務員のみの職員団体を人事委員会(国家公務員においては人事院)が登録し、交渉団体として認めるとともに、在籍専従者など便宜供与を図るものである。登録職員団体であろうとなかろうと職員団体は当局との交渉権は有しているので、交渉について差異はない。違いは便宜供与の問題であって、会社が企業内労働組合を唯一団交労組と認めていても、別労組が結成されれば交渉応諾義務があるのと同じことだという話になった。便宜供与問題は交渉次第ということである。

 「日の丸・君が代」も思想信条の問題として捉えるだけでなく、労働問題としても捉えれば団交事項とすることができると山下さんはいう。労働者の団結権は保障されている。今求められるのは、労組法適用労働組合であろうと、地公法適用職員団体であろうと、非正規労働者を組織して、権利行使を図っていくことである。「25年でやっと労働運動のスタートラインにつくことができた」という山下さんの言葉が印象的だった。

Created by staff01. Last modified on 2015-04-19 22:43:06 Copyright: Default

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