フランスの政治家がたくらむ労働規制緩和に労働者は黙ってはいない 

労働規制緩和 労働者「撤回を」 政府法案に反発 フランス

フランスにも企業の経済成長を優先にした政策を画策し、幇間と成り下がった政治家によって労働者が苦しめられようとしている。経済成長で労働者の賃金が上がったり生活が楽になったりすることは決して無いのにもかかわらず。

2015年4月21日(火) しんぶん赤旗

解雇や長時間労働の規制緩和
仏労働者「撤回を」
政府法案に反発強める


 フランスのマクロン経済相がまとめた多分野にわたる規制緩和策、通称「マクロン法案」に対し、国民が反発を強めています。とりわけ労働者が懸念するのは、解雇手続きの簡略化や長時間労働を容認する労働規制の緩和です。与党社会党の一部議員も反対姿勢を示す中、仏政府は同法成立に向け、強硬姿勢をみせています。(パリ=島崎桂 写真も)

 昨年8月に経済相に就任したマクロン氏は、就任以前にもオランド仏大統領の側近として、法人税と社会保障費の企業負担分を軽減する経済政策「責任協定」を立案。同氏の起用は当時、社会党の「企業寄り」の姿勢を決定付けるものとして注目を集めました。

“企業へ贈り物”メディアも揶揄

 「経済成長、経済活動、経済的機会の平等のための法案」を正式名とするマクロン法は、100を超える条文で構成されています。マクロン氏が「経済成長の障害を取り払う」と主張する同法は、解雇手続きの簡略化に向けた多くの規制緩和を企図。一部メディアや労組は同法について、「企業へのプレゼント」と揶揄(やゆ)しています。

 現行法は企業に対し、解雇対象者に社内での配置転換先や、国内外のグループ企業での転職先を可能な限り紹介するよう義務付けています。マクロン法は、こうした企業の義務を自社内での配置転換先の紹介に限定。転職に関わる責任は労働者が負うことになります。また、解雇などをめぐる訴訟の迅速化や、経済的理由による集団解雇の要件緩和も企図しています。

 今月9日、仏全土で約30万人が参加した「反緊縮デモ」では、同国で長年続く増税や社会保障の削減、責任協定への抗議に加え、多くの参加者がマクロン法の撤回を求めました。

 パリの公立中学校で生徒指導の助手を務める男性(21)は、「マクロン法は企業に利益を与え、労働者には大量の失業をもたらすだけだ。子どもたちの将来の雇用にも確実に悪影響を及ぼす」と語気を強めました。

 同法は解雇規制の緩和に加え、年5日に制限されている日曜営業を年12日に拡大するとしています。また、国が定める特定の観光・商業地域では日曜営業を自由化し、深夜0時までの営業を認めるとしています。

 フランスで日曜の休日は労働者の権利と考えられており、現行の労働法も、日曜日は原則的に休日と定めています。
相次ぐ反対意見採択もつれ込む

 デモの中、マクロン法案への反対署名を呼び掛けていたマリオン・ジュシレさん(57)は、「日曜営業や深夜労働が拡大すれば、家族と過ごす時間が減っていく。深夜手当などで給料が上がっても、託児所やベビーシッターを利用する必要が生じ、子育て世帯にとっては賃上げにもならない」と話しました。

 同法案は現在、仏上院での審議が進んでいます。仏政府は当初、4月中の採択を見込んでいましたが、相次ぐ反対意見により審議は遅延。最終的な採択は5月にもつれ込む見通しです。

 バルス首相は2月、国民議会(下院)での審議で多数派の賛成が見込めない中、「法案成立のためなら何でもする」と主張。憲法上の規定を行使し、表決なしの採択を強行しました。会期中1度に制限される同規定の行使は8年ぶりでした。政府の強硬姿勢に対し、野党は直後に内閣不信任動議を提出しましたが、否決されました。


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