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解雇の金による迅速解決は労働者の生活を迅速に破壊するだけ 

論説 解雇の金銭解決

 不当解雇が統計上でも明らかであるにもかかわらず、金銭解雇を認める労働政策案は明らかな企業寄りの政策で、これによって労働権を奪われ生活を破壊される労働者やその家族は路頭に迷い貧困へと陥る恐れがある。
 したがって、ちっぽけな解決金を支払らえば企業が気に入らない労働者を堂々と労働から排除できる法案は、憲法第27条に謳う勤労の権利と義務を奪うものでしかなく憲法に反する法案であるとしか云いようがない。

論説 解雇の金銭解決

2015年04月22日 05時34分 佐賀新聞

 政府の規制緩和会議の提言を受けて、解雇問題の「金銭解決」制度の導入が検討される。企業と労働者間のスムーズなトラブル解決を図るのが狙いだが、乱用による不当解雇助長の懸念もある。慎重な議論が必要だ。

 解雇された労働者が起こした裁判で解雇無効の判決が出ても職場との信頼関係が崩れて、復帰が困難な例も少なくない。その場合、職場復帰ではなく、金銭の支払いで決着できるようにするのが提言の趣旨だ。申し立てができるのを労働者に限定した。解雇の乱用を防ぐ考えだ。労働組合は「金さえ払えば自由に解雇できる」との風潮が広がることを懸念する。

 解雇に関しては、労働契約法で合理的な理由と社会通念上の相当性がない場合は無効としている。経営上の理由による整理解雇でも、人員削減しなければ会社存続が難しい、解雇回避の努力を尽くしているなどの要件を満たさなければ認められない。

 それでも不当解雇は後を絶たない。2013年度に全国の労働局が受け付けた個別労働紛争の相談で、解雇に関する相談は4万3956件と内容別でみると2番目に多かった。佐賀労働局では359件と3番目に多い。11、12年度は解雇関連が最も多かった。

 紛争解決の方法には、訴訟のほかに労働委員会のあっせん、裁判所の労働審判などがあるが、訴訟に比べて解決金が低いといわれる。訴訟は決着までに時間がかかり、無効の判決が出ても、企業との関係がこじれて補償金を受けて退職するケースが多い。

 中小企業では、不当解雇でも金が支払われず、泣き寝入りするケースが少なくないともいわれる。制度化によって、訴訟を起こす余裕のない人にも一定水準の解決金が支払われるなど弱者救済が期待できると評価する声もある。

 実際に導入を検討する際、重要になるのが解決金の水準だ。最低額を高く設定すれば、解雇の乱用に対する抑止力になる。一方で経営体力のない中小企業にとって大きな負担となる。逆に低く設定すれば安易な解雇が増加する懸念が膨らむ。

 さらに労使の力関係から、企業が労働者に無理強いして、意に反した金銭の支払いによる解決を選ばざるを得なくなるケースも予想される。制度が導入されてから、企業側の申し立ても認めるように範囲が拡大されることを心配する声もある。制度改変に関するルールも必要になるだろう。

 2003年の労働基準法改正の際に導入が検討されたが、労働組合などの反対で実現しなかった。「雇用の流動化」を掲げる安倍政権が成長戦略に盛り込んだことで再び議論の俎上(そじょう)に上った。

 欧米の主要国で既に実施されている制度だが、解雇は当事者だけでなく、家族や周囲にも大きな影響を与える問題だ。失業した際の生活保障、再就職支援の取り組みが不十分であれば、すべてのしわ寄せは労働者に及ぶ。制度は、弱い立場にある労働者の利益を第一にすることを前提にすべきだ。

 6月にも閣議決定され、制度設計の議論が始まるとみられる。規制改革会議の段階では、労働者側の代表がメンバーに入っていなかった。制度設計の議論では、労働者の意見を十分に踏まえた上で議論を重ねてほしい。(梶原幸司)


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