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2009年の「派遣切り」を忘れ下野したことを反省しない法改悪/自治体も理解できずにいる労働者の待機時間/労働者の安全を無視した被曝引き上げなら原発はいらない 

社説 [派遣法改正案] 労働者保護を優先せよ
市バス運転手 待機は「労働」 北九州市に賠償命令 福岡地裁
作業員被曝限度 緊急時は250ミリシーベルト 規制委引き上げ

 08年から09年におきた「派遣切り」「ハケン村」を忘れ、それが引き金となり下野したことを反省しない自公政権は派遣法改悪によって当時よりさらに悪化させている。
 労働者派遣法は専門性を持った労働者を雇用者でない者に指揮命令できる法であったはずのものを、その専門性まで剥奪し3年という上限期間を設け、労働環境を砂漠にしてしまった。これで雇用の安定化が図れるはずはなく、労働者のモノ化というまさに奴隷制度そのものだ。女性どころか誰も活躍できない別世界だ。

社説[派遣法改正案]労働者保護を優先せよ

2015年5月21日 05:30 沖縄タイムス

 企業が長期にわたり派遣労働者を雇用できるようになる労働者派遣法改正案が、衆院厚生労働委員会で審議入りした。現在は原則3年となっている派遣労働者受け入れ期間の上限をなくすのが最大のポイントだ。

 今国会ではさらに、一部の専門職を労働時間規制の対象外とする労働基準法改正案の審議も控えている。

 いずれも、労働者を守ることよりも、企業の意向を優先した法改正だと言えよう。雇用の不安定化や長時間労働の拡大につながる懸念が拭えない。

 現在の派遣法は、秘書や通訳など専門性の高い26業務については派遣労働者受け入れの期限がないが、その他の一般業務は最長3年までしか派遣できない。正社員よりも賃金が安い派遣労働者への置き換えを防ぐためだ。

 改正案は、専門と一般の業務区分をなくし、3年ごとに働く人を替えれば派遣労働者を受け入れ続けることができる。

 つまり、企業にとっては、派遣労働者の「使い勝手」が良くなる、という訳だ。

 一方、労働者の立場で見れば、同じ職場で3年を迎えると原則、職場の変更などを余儀なくされる。そのため改正案には、派遣会社に対し、派遣先の社員として直接雇うよう依頼するか、別の派遣先の紹介、計画的な教育訓練などを求める雇用安定措置が盛り込まれた。

 政府、与党は「正社員への道を開く措置」と胸を張る。だが、その保障があるわけではなく、実効性は疑わしい。

    ■    ■

 厚生労働省によると、派遣労働者は2014年度で約120万人。仕事の減少など企業の都合で切りやすい「雇用の調整弁」となりがちだ。リーマン・ショックによる景気悪化時には、「派遣切り」が社会問題化した。

 厚労省の調査では、派遣で働く人の43%が正社員雇用を望んでいる。だが、派遣を含む非正規雇用歴が長引くほど、正社員への道は険しいのが実態だ。

 派遣法改正案は、条文の誤記などで昨年の通常国会、続く臨時国会でいずれも廃案となった。与党は今回、「三度目の正直」として採決強行も辞さない構えだ。

 しかし、法改正によって、正社員から派遣への置き換えが進み、非正規雇用が拡大する恐れが強い。当事者からは「会社の備品を買い替えるように、働き手も3年ごとに替えていくのか」などの批判も出ている。

    ■    ■

 労働基準法改正案の柱は、一部の専門職を労働時間規制の適用除外にする「高度プロフェッショナル制度」の新設である。成果で賃金が決まるため時間に縛られずに働けるというが、長時間労働への歯止めは十分ではない。働き過ぎが懸念される「残業代ゼロ」制度に他ならない。

 安倍政権は、成長戦略の一環として労働分野の規制緩和を掲げるが、労働者を軽んじ過ぎてはいないか。「多様な働き方の実現」と言うのであれば、いずれの法案も当事者である労働者の声に耳を傾け、審議を尽くしてもらいたい。



 自治体も理解できずにいる労働者の待機時間だが、完全に労働からは解放されておらず、市がいう「自由」が肉体的・精神的に完全な自由ではないことはよく考えればわかること。
 そうした経営側の都合のいい勘違いが恥ずかしいぐらい労働現場にいくらでも転がっていることが残念でならない。

バス運転、待機は「労働」 福岡地裁が北九州市に賠償命令

2015/5/21 2:05 日本経済新聞

 北九州市営バスの嘱託運転手が乗務の合間に待機する時間について、労働時間に当たるかどうかが争われた訴訟の判決で、福岡地裁(山口浩司裁判長)は20日、「労働から解放されておらず、使用者の監督下に置かれていた」として労働時間と認定した。市に対して、運転手ら14人に未払い賃金の計約1240万円を支払うよう命じた。

 市側は訴訟で「待機中は自由に過ごせるため、休憩時間に当たる」と主張したが、山口裁判長は「バスの移動や乗客対応をする必要があった」と認定。労働基準法が労働時間に当たると定める「労働者が使用者の監督下に置かれた状態」と判断した。支払額は2010~11年の待機時間に応じて、1人当たり36万~121万円とした。

 判決などによると、運転手は1路線の終点に到着後、別の路線を運行するまで待機する。嘱託運転手の給与は時間制で待機中は賃金が支払われず、1時間当たり140円の「待機加算」が支給されている。

 原告の1人、山北洋二さん(65)は判決後に開いた記者会見で「長時間労働を強いられる運転手は多い。これを機に労働環境を改善してほしい」と市に求めた。市交通局の担当者は「主張が認められず、厳しい判決。判決内容を検討し、対応を決定したい」とコメントした。



 事故の経験を踏まえたら原発を無くすのが最善の方法だが、原子力規制委員は被曝限度を引き上げるという無謀で無責任な決定をしている。それはそうした現場で働くという当事者意識が無いからであろう。
 委員たちは人体の遺伝子結合をズタズタにする放射線の威力を一番認識しているはずで、それを承知での決定はもはや犯罪レベルである。

作業員の被曝限度、緊急時は250ミリシーベルトに 規制委引き上げ

2015年5月21日 apital

 原発事故時に対応にあたる作業員の被曝(ひばく)線量について、原子力規制委員会は20日、上限を現行の100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げる原子炉等規制法(炉規法)の関係規則の改正案を了承した。1カ月間の意見募集、放射線審議会を経て、来年4月の施行を目指す。

 2011年3月の東京電力福島第一原発事故の際には、従来の上限100ミリでは収束作業が難しいとして、一時的に250ミリに引き上げられた。緊急時の被曝線量は、炉規法と労働安全衛生法の関係規則で定められる。事故の経験を踏まえ、緊急事態が発生したら、迅速に作業を始められるよう、自動的に250ミリに被曝限度を引き上げる。

(朝日新聞 2015年5月21日掲載)


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